日本化薬

日本化薬株式会社の概要

日本化薬株式会社（にっぽんかやく）は、東京都千代田区に本社を置く、総合化学メーカーであり、幅広い事業を展開しています。企業は火薬事業から出発し、日本初のダイナマイトを製造した歴史を持ち、現在は薬品、ファインケミカル、医薬品分野においても活動しています。特に、紫外線硬化樹脂であるフォトレジストは同社の代表的な製品です。医薬事業ではバイオシミラーの開発において、韓国との共同研究を進めています。

事業内容

日本化薬は「情報通信」「医療」「安全」の3つの成長分野に注力しています。これらの分野に関連する事業を展開し、多様な製品を提供しています。

ファインケミカル事業領域

特にフォトレジスト事業は、同社の強みです。半導体封止用エポキシ樹脂の分野では、世界市場の40%以上を占めるシェアを誇ります。また、DVD向けの紫外線硬化型樹脂では、世界で2位（約25%）のシェアを持ち、1位はDIC社の45%です。さらに、マレイミド樹脂や微細加工プロセス向けの薬液の製造も行っています。

ライフサイエンス事業領域

がん治療に関連する事業は特に力を入れており、20種類以上の抗がん剤を販売しています。また、韓国のセルトリオン社との間でバイオシミラーの共同開発を進めており、さまざまながん診断および治療薬を取り揃えています。具体的な製品には、膀胱癌の診断に用いるアラグリオ、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬のポートラーザがあります。

モビリティ・イメージング事業

自動車安全部品の研究開発にも注力しており、「インフレータ」と呼ばれるエアバッグ用の点火・ガス発生装置や、国内シェアNo.1の「マイクロガスジェネレーター」を製品として展開しています。また、液晶ディスプレイ用の偏光フィルムなどの製造も行い、無機材料を用いた偏光板も取り扱っています。

その他の事業

さらに、染料や農薬、各種触媒なども製造しており、祖業である火薬事業は旭化成との合弁会社カヤク・ジャパンが担っています。

沿革

日本化薬の歴史は1916年に始まり、当初は日本火薬製造株式会社として設立されました。1916年には帝国染料製造株式会社が設立され、その後1931年に山川製薬株式会社を設立。この間に株式を東京証券取引所に上場するなど、着実に成長していきました。現社名に変更したのは1945年で、以降も多くの合併や子会社設立を通じて、事業領域を拡大しています。

事業所

日本化薬は、東京や大阪を含む各地に支社を持ち、福山、姫路、東京などに工場を展開しています。さらに、東京都北区と茨城県神栖市には複数の研究所があります。

諸問題と社内の取り組み

同社は、過去に労働問題について訴訟に関わった経緯もありますが、これに対しては法的な判断が下されています。また、社内コミュニケーション向上のため、マスコットキャラクター「かやくーま」を通じて親しみを持たれるよう努めています。渡船を利用している事例もあり、従業員の利便性を考慮した取り組みが見受けられます。

日本化薬株式会社は、化学業界や医療分野での革新を追求し続け、成長を続ける企業として、これからの活動に期待が寄せられています。

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