日本国際飢餓対策機構

日本国際飢餓対策機構（JIFH）は、大阪府八尾市に本部を置くキリスト教系国際協力NGOです。この団体は、「隣人愛」「共生」「人間の尊厳」といった聖書の教えに基づいた価値観を活動の根幹としています。世界各地で国際飢餓対策機構や現地のパートナー団体、国連機関などと連携し、飢餓問題の解決に向けて活動しています。

国内においては、「世界食料デー」大会を毎年全国約25か所で開催し、講演会や小中学校での出前授業を通じて、飢餓に関する啓発活動を積極的に行っています。かつては東京、広島、沖縄にも事務所を構えていましたが、2023年6月末に沖縄事務所を閉鎖し、現在は大阪本部が沖縄地域での活動も直接管理しています。

JIFHは、約7400名の寄付支援者と、23名の有給職員、16名の海外スタッフによって支えられています。事業規模は年間約10億5000万円に上ります。また、日本福音同盟の協力会員としても活動しています。

歴史

JIFHは、1981年にインドシナ難民救援活動に携わった日本人たちが中心となり、勉強会として発足しました。その後、スイス・ジュネーブに本部を置く国際飢餓対策機構（Food for the Hungry International）のパートナー団体となり、開発途上国を中心に活動を展開しています。1985年には、エチオピア大飢饉の緊急援助に初めてスタッフを派遣しました。当初は緊急援助活動が中心でしたが、その後、地域社会の自立を促す開発協力へと活動をシフトさせています。

活動内容

JIFHの主な活動は以下の通りです。

緊急援助: 地震や自然災害が発生した際、被災地で短期的な援助活動を行います。
自立開発協力: 農業開発や公衆衛生の普及など、長期的な現地プロジェクトを通じて、地域社会の自立を支援します。
啓蒙・教育: 「世界食料デー」や講演会などを通して、飢餓や貧困の現状を伝え、社会全体の意識を高める活動を行います。
世界里親会: 子どもや若者が教育を受けられるよう、就学支援を行います。
海外駐在員派遣: 現地での活動を円滑に進めるため、海外にスタッフを派遣します。

活動国

JIFHは、アジア、中南米、アフリカの多くの国で活動を展開しています。

アジア: フィリピン、バングラデシュ、カンボジア、中国など
中南米: ペルー、ボリビアなど
アフリカ: ウガンダ、エチオピア、モザンビークなど

親善大使

JIFHの活動をサポートするため、多くの著名人が親善大使として協力しています。

上原令子（ゴスペルシンガー）
森祐理（福音歌手）
ソン・ソルナム（フルート奏者）
小堀英郎（ピアニスト）
Manami（歌手）
ナイトdeライト（ロックバンド）

活動理念

JIFHは、「人々が生活の基本的なニーズを満たし、自立することに協力し、自分の可能性を信じ、希望を持って生活し、隣人を愛する人になり、分かち合い・助け合う共生社会を実現すること」を理念としています。

寄付金の使われ方

2006年7月から2007年6月までの年次報告によると、寄付金総額は約4億2000万円でした。このうち、運営費として9.1%（現金ベースで17.8%）が使用されています。残りの寄付金は、開発途上国での支援活動に活用されています。

関連団体

JIFHは、国際飢餓対策機構（Food for the Hungry International）と密接な関係を持ち、連携して活動しています。

刊行物

JIFHは、以下の刊行物を通して情報発信を行っています。

「飢餓対策ニュース」（月刊）：JIFHの活動報告や飢餓問題に関する情報を提供します。
「世界と地球の困った現実」（書籍）：明石書店と共同で出版した、飢餓問題をわかりやすく解説した書籍です（まんが形式）。
「ゴンダールのやさしい光」（書籍）：葉祥明氏の絵と、みなみ ななみ氏の文による絵本で、JIFHが解説を担当しています。

外部リンク

日本国際飢餓対策機構（公式サイト、日本語）
* Food for the Hungry (英語)

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