日本女子プロゴルフ協会TPD非会員登録制度

TPD非会員登録制度とは

TPD（トーナメントプレイヤーズ・ディビジョン）非会員登録制度は、日本女子プロゴルフ協会（JLPGA）が設けた、プロゴルファーとしての登録制度の一つです。この制度は、従来の会員制度とは異なり、プロテストに合格していない選手にも、一定の条件を満たせばツアーに参加する機会を与えることを目的としています。この制度は「TPD特別登録」と呼ばれることもあります。

制度導入の背景

1980年代以降、日本女子プロゴルフ協会（JLPGA）は、ファン層の減少や事業規模の縮小といった課題に直面していました。これらの状況を打開するため、2000年代に入ると、協会は経営改革に乗り出しました。その一環として、2002年にはプロゴルファーの管理体制を見直し、従来の「日本女子プロゴルフ協会会員」という一括りでの扱いから、事業部ごとにTPD会員（ツアープロ）とGBD会員（ティーチングプロ）に分類して管理するようになりました。

制度の概要

TPD事業部では、女子ゴルフツアーの活性化と新規選手の参入促進を目指し、プロテスト合格者以外にも門戸を開放する制度を導入しました。具体的には、QT（クオリファイイング・トーナメント）最終予選会を通過した選手には、レギュラーツアーへの出場資格が与えられます。ただし、出場試合数には制限が設けられています。さらに、この制度を利用してツアーに出場した選手がトーナメントで優勝した場合、プロテストの実技試験が免除され、正会員登録の資格を得ることができます。

制度の効果

この制度の導入は、日本女子ゴルフ界に大きな影響を与えました。宮里藍、藤田幸希、佐伯三貴、張娜、裵宰希、三塚優子、キム・ソヒ、原江里菜など、多くの学生選手やアジア・オセアニア圏を中心とした外国人選手がこの制度を利用してツアーに参入し、活躍するようになりました。これにより、日本女子ゴルフツアーの人気は回復し、選手層の若年化と国際化が促進されました。現在では、毎年50名以上のLPGA非会員登録者がツアーで活躍しています。

制度導入初期のエピソード

2002年、TPD会員とGBD会員の区分けが始まった当初、自己申告による出願方法が採用されたため、協会から各会員に通知書が郵送されました。通知書には、「TPD会員」「GBD会員」「両方に登録」の3つの選択肢があり、会員は希望するカテゴリーにチェックを入れて返送する形式でした。しかし、締切日までに100件以上もの返送未着が発生し、協会内は一時騒然となりました。

当時の賞金女王である不動裕理選手や藤井かすみ選手を含む100名以上のプロから返信がなかったため、LPGA事務局は急遽、返信猶予期間を設けました。この混乱の原因は、通知書に「返信がない場合には非活動のGBD会員として登録されます」という記載があったため、「非活動だから返信しなくても良い」という誤解が生じたことでした。この事態に対し、TPD部門長（小林法子）とGBD部門長（清元登子）が積極的に解決にあたり、事態は収束に向かいました。

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