日本情報オリンピックとは？意味をやさしく解説

日本情報オリンピック（JOI）とは

日本情報オリンピック（Japanese Olympiad in Informatics, JOI）は、日本の中高生を対象とした情報科学の能力を競う大会であり、国際情報オリンピック（IOI）への日本代表選手選考も兼ねています。1994年から1997年にかけて開催された後、一時中断されましたが、2005年からは科学技術振興機構の助成を受け再開され、現在に至っています。この大会は、日本の情報科学教育の発展と、将来を担う人材の育成を目的とした、重要な科学オリンピックの一つです。

大会の概要

JOIは、情報科学に関心のある中高生が、プログラミング能力を競い合う場を提供しています。単に知識を問うだけでなく、問題解決能力や論理的思考力も試されるため、参加者は実践的なスキルを身につけることができます。

2021年には、史上初となる日本情報オリンピック女性部門が開催され、ヨーロッパ女子情報オリンピック（EGOI）への代表選手選考も行われました。

参加 資格

参加資格は、翌年の国際情報オリンピックに参加資格を有する者、すなわち、大会開催年度の4月時点で高校2年生以下、またはそれに相当する年齢（20歳未満）の在学生に限られます。これにより、若く優秀な才能が発掘される機会が提供されています。

競技の流れ

JOIの選考は、大きく分けて以下の段階を踏みます。

1. 一次予選:
- 9月から11月頃にWeb上で3回実施されます。
- 参加資格を満たさない者も参加可能です。
- 3問出題され、2問正解すると「予選Bランク」と認定されます。これは、基本的なプログラムを適切に書ける能力があることの証明となります。

2. 二次予選:
- いずれかの一次予選で予選Bランクを獲得した者が参加できます。
- 5問出題され、成績上位者が「予選Aランク」に認定されます。
- 例年80名前後の参加者が、この二次予選での好成績により本選に招待されます。
- 本選への招待は、以下の条件を満たす参加者にも与えられます。
1. 提携プログラミングコンテストの優勝チームメンバー
2. 春合宿招待者
3. ブロック制による本選招待者
4. 女性参加者奨励制度による本選招待者
5. 予選成績Aランク者
6. 指定校内の上位参加者

3. 本選:
- 2月頃に国内1箇所で開催されます。
- 二次予選を突破した予選Aランク者や、その他の招待者が参加します。
- 5時間で数題のプログラミング問題を解きます。使用できるプログラミング言語はCまたはC++に限られます。
- 成績上位者からA、B、Cの各ランクに分類され、Aランク者は春合宿に招待されます。また、上位3名には金、銀、銅の各賞、ブロック優秀者にはブロック賞が贈られます。
- 女性参加者の中での成績優秀者にも賞が授与されます。

4. 春合宿:
- 3月に国内1箇所で開催されます。
- 本選通過者20名前後が招待され、講義や試験を受けます。プログラミング言語はC++のみが使用されます。
- 合宿期間中に本選の表彰式も行われます。
- 合宿での選考を経て、4名が国際情報オリンピックの日本代表選手として派遣されます。他の国際科学オリンピックへの参加希望者がいる場合、繰り上げ選抜が行われることがあります。

国際情報オリンピック（IOI）日本開催

2018年には、第30回国際情報オリンピックが日本で開催されました。これは、2014年の台北大会中に実施されたIOI総会で決定されたものです。

記録と関連競技

過去の受賞者、日本代表選手、ヨーロッパ女子情報オリンピック代表選手の情報も公開されています。また、関連競技として、アジア太平洋情報オリンピックや小中高生向けの国際情報科学コンテスト『ビーバーチャレンジ』などが挙げられます。

ビーバーチャレンジは、コンピュータ科学と計算論的思考に関する児童・生徒向けのコンテストであり、学校単位で参加できます。学年に応じた5つのカテゴリーに分かれており、様々な年齢層の生徒がプログラミングやコンピュータに関する問題に挑戦できます。

運営体制

JOIは、特定非営利活動法人情報オリンピック日本委員会（IOI日本委員会）によって運営されています。
運営資金は、文部科学省の補助金、科学技術振興機構からの支援、企業からの協賛や個人からの寄付によって賄われています。

外部リンク

日本情報オリンピックは、情報科学の未来を担う若い世代の発掘と育成に貢献する、非常に重要な大会です。

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