国際情報オリンピック

国際情報オリンピック（IOI）とは

国際情報オリンピック（International Olympiad in Informatics, IOI）は、1989年から毎年開催されている、高校生を対象としたプログラミングの国際的な競技大会です。世界各国から選抜された代表選手たちが集まり、高度なアルゴリズムの知識とプログラミング能力を競います。

概要

各国の代表選手は最大4名で、2005年のポーランド大会では72カ国から276名が参加しました。日本からの参加には、国内予選である日本情報オリンピックを通過する必要があります。

競技では、ほとんどの選手がC++を使用します。大会は2日間にわたって実施され、各日5時間で3問ずつ、計6問のプログラミング問題に挑戦します。各問題は100点満点で採点され、合計で600点満点となります（過去には満点が異なる年もありました）。

プログラムには実行時間やメモリの使用制限があり、効率的なアルゴリズムを考案する能力が問われます。採点は、入力データに対して正しい結果を出力するかどうかを、コンピュータによる自動採点で行われます。成績上位者には、金、銀、銅のメダルが授与されます。具体的には、上位1/12が金メダル、次の2/12が銀メダル、次の3/12が銅メダルとなります。

開催歴

過去の開催地は以下の通りです。

1989年 第1回 - ブルガリア・プラヴェッツ
1990年 第2回 - ベラルーシ・ミンスク
1991年 第3回 - ギリシャ・アテネ
1992年 第4回 - ドイツ・ボン
1993年 第5回 - アルゼンチン・メンドーサ
1994年 第6回 - スウェーデン・ハーニンゲ
1995年 第7回 - オランダ・アイントホーフェン
1996年 第8回 - ハンガリー・ヴェスプレーム
1997年 第9回 - 南アフリカ共和国・ケープタウン
1998年 第10回 - ポルトガル・セトゥーバル
1999年 第11回 - トルコ・アンタルヤ
2000年 第12回 - 中華人民共和国・北京市
2001年 第13回 - フィンランド・タンペレ
2002年 第14回 - 大韓民国・龍仁市
2003年 第15回 - アメリカ合衆国・ケノーシャ
2004年 第16回 - ギリシャ・アテネ
2005年 第17回 - ポーランド・ノヴィ・ソンチ
2006年 第18回 - メキシコ・メリダ
2007年 第19回 - クロアチア・ザグレブ
2008年 第20回 - エジプト・カイロ
2009年 第21回 - ブルガリア・プロヴディフ
2010年 第22回 - カナダ・ウォータールー
2011年 第23回 - タイ王国・パッタヤー
2012年 第24回 - イタリア・シルミオーネ
2013年 第25回 - オーストラリア・ブリスベン
2014年 第26回 - 中華民国・台北市
2015年 第27回 - カザフスタン・アルマトイ
2016年 第28回 - ロシア・カザン
2017年 第29回 - イラン・テヘラン
2018年 第30回 - 日本・つくば市
2019年 第31回 - アゼルバイジャン・バクー
2020年 第32回 - シンガポール（オンライン開催）
2021年 第33回 - シンガポール（オンライン開催）
2022年 第34回 - インドネシア・ジョグジャカルタ
2023年 第35回 - ハンガリー・セゲド
2024年 第36回 - エジプト・アレクサンドリア

今後の開催予定地は以下の通りです。

2025年 第37回 - ボリビア・ラパス
2026年 第38回 - ウズベキスタン
2027年 第39回 - ドイツ・ポツダム

日本の参加と成績

日本は1994年から1996年の間、国際大会に参加し、その後9年間の中断を経て、2006年から再び参加しています。以下は日本の成績です。

1994年: 銀メダル2個（15位）
1995年: 金メダル1個、銅メダル1個（11位）
1996年: メダルなし
2006年: 金メダル2個、銅メダル1個（6位）
2007年: 金メダル1個、銀メダル1個、銅メダル1個（14位）
2008年: 金メダル1個、銀メダル1個、銅メダル2個（11位）
2009年: 金メダル2個、銀メダル1個、銅メダル1個（6位）
2010年: 金メダル2個、銀メダル2個（2位）
2011年: 金メダル1個、銀メダル3個（8位）
2012年: 金メダル1個、銀メダル3個（7位）
2013年: 金メダル1個、銀メダル2個（11位）
2014年: 金メダル1個、銀メダル2個、銅メダル1個（11位）
2015年: 金メダル3個、銅メダル1個（5位）
2016年: 金メダル2個、銀メダル2個（4位）
2017年: 金メダル3個、銀メダル1個（1位）
2018年: 金メダル1個、銀メダル1個、銅メダル2個（特別参加選手：金相当1個、銀相当2個、銅相当1個を含む）（12位）
2019年: 金メダル1個、銀メダル3個（7位）
2020年: 金メダル2個、銀メダル2個（5位）
2021年: 金メダル2個、銀メダル2個（5位）
2022年: 金メダル4個（1位）
2023年: 金メダル4個（1位）
2024年: 金メダル2個、銀メダル2個（2位）

1996年までは日本からの世界大会参加者は2名でしたが、2006年以降は4名となっています。2018年には開催国として特別参加選手を含め8名が参加しました。

日本人金メダリスト

これまでの日本人金メダリストには、以下のような選手がいます。

伊藤哲史（筑波大学附属駒場高等学校）1995年
渡部正樹（筑波大学附属駒場高等学校）2006年
片岡俊基（高田高等学校）2006年, 2007年
保坂和宏（開成高等学校）2008年, 2009年
滝聞太基（筑波大学附属駒場高等学校）2009年
村井翔悟（開成高等学校）2010年, 2011年, 2012年
原将己（筑波大学附属駒場高等学校）2010年
熊崎剛生（筑波大学附属駒場高等学校）2013年
高谷悠太（開成中学校・開成高等学校）2014年, 2015年, 2016年, 2017年
増田隆宏（筑波大学附属駒場高等学校）2015年
井上卓哉（開成高等学校）2015年, 2016年
川﨑理玖（筑波大学附属駒場高等学校）2017年
河原井啓（筑波大学附属駒場高等学校）2017年
井上航（北九州工業高等専門学校）2018年
米田優峻（筑波大学附属駒場高等学校）2019年, 2020年
松尾凛太朗（麻布高等学校）2020年
菅井遼明（渋谷教育学園渋谷高等学校）2021年
児玉大樹（灘高等学校）2021年, 2022年, 2023年
渡邉雄斗（渋谷教育学園幕張高等学校）2022年
田村唯 （大阪公立大学工業高等専門学校） 2022年
田中優希（灘高等学校）2022年, 2023年
尼丁祥伍（灘高等学校）2023年
西脇響喜（筑波大学附属駒場高等学校）2023年

テレビ番組

過去には、情報オリンピックに関するテレビ番組も放送されました。

『未来への鍵』 - 2011年3月21日、テレビ東京にて放送
『岡本玲の未来への鍵Ⅱ　〜体験！ 国際情報オリンピック タイ大会〜』- 2011年9月23日、テレビ東京にて放送
『青春アルゴリズム』 - 2012年12月24日、テレビ東京にて放送（情報オリンピックを題材とした青春ドラマ）

関連事項

ACM国際大学対抗プログラミングコンテスト
アジア太平洋情報オリンピック
日本情報オリンピック

外部リンク

国際情報オリンピック
情報オリンピック日本委員会
どう書く？org - 情報オリンピック
歴代日本代表選手戦績ランキング（IOI公式（英文））

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