日本時事評論社

株式会社日本時事評論社は、山口県山口市に本社を構える出版社です。1989年5月、前身である時事日本新聞の廃刊を機に設立されました。出版物の発行と販売を主な業務としています。

『日本時事評論』とその背景

同社が発行する『日本時事評論』は、牛見真博氏が主宰する若手勉強会「草莽塾」に支えられています。編集長の山口敏昭氏は、「大田・絵堂の戦いを顕彰しよう会」の代表および世話人を務めています。これらの活動からも、同社の保守的な思想傾向が窺えます。

主な論調：安全保障、原子力発電、そしてフェミニズムへの視点

日本時事評論社は、国の安全保障の観点から憲法改正を支持し、国力と経済の安定を維持するために原子力発電を推進する立場を取っています。また、フェミニズムに対しては批判的な視点を持っており、山口智美氏は同社を「フェミニズムへのバックラッシュのリーダー的な役割を果たしている」と評しています。2001年1月からは「『男女共同参画』の表と裏」という連載を開始し、男女共同参画に反対する記事を頻繁に掲載。これらの記事は後に雑誌『湧泉』としてまとめられました。

男女共同参画を巡る論争

三井マリ子氏は、日本時事評論社が新生佛教教団の関連会社であると主張しています。また、2002年6月に山口県宇部市で男女共同参画推進条例案が制定される際、同社が条例の内容に圧力をかけ、変更させたと主張しています。これらの主張は、同社が男女共同参画に対して強い影響力を持っていることを示唆しています。

訴訟：冬柴鐵三氏との名誉毀損訴訟

公明党幹事長（当時）だった冬柴鐵三氏が、『日本時事評論』の記事によって名誉を傷つけられたとして、日本時事評論社に対し1100万円の損害賠償などを求める訴訟を起こしました。しかし、2001年12月12日、大阪地裁は原告側の請求を棄却。冬柴氏は控訴しましたが、控訴審でも敗訴しています。

主な出版物

新聞:
『日本時事評論』 - 毎月第1・第3金曜日発行
雑誌:
『湧泉』（2002年 - ） - 『日本時事評論』の記事の中からテーマごとに編集された雑誌
書籍:
鈴木旭著『日本精神の源流 明治維新とはなんだったのか？』（2012年）

日本時事評論社は、独自の視点と論調で社会問題に取り組む出版社として、注目を集めています。

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