日本海溝

日本海溝とは

日本海溝は、東日本沖の太平洋底に、海岸線とほぼ平行に伸びる海溝です。襟裳海山の南から第一鹿島海山の北麓にかけて存在します。北は襟裳岬沖で大きく東に曲がり千島海溝につながり、南は銚子半島沖で第一鹿島海山にぶつかり、伊豆・小笠原[[海溝]]へと続きます。

海底地形の名称としては、第一鹿島海山、香取海山、第二鹿島海山を結ぶ線を境に、北側が日本海溝、南側が伊豆・小笠原[[海溝]]と区別されます。しかし、海溝の地形や地質構造は連続しており、島弧海溝系として見ると、東北日本弧の対となる海溝は、第一鹿島海山の南から茂木深海扇状地がある房総沖海溝会合三重点まで続いています。

日本海溝の最深部は8020mに達し、これは標高8027mのシシャパンマに匹敵する深さです。日本の島は南鳥島を除き、すべて日本海溝の西側に位置しています。

日本海溝の形成

日本海溝は、太平洋プレートが西方向に移動し、東日本がある北アメリカプレート（オホーツクプレート）の下に沈み込む場所に形成されています。太平洋プレートは日本海溝で北アメリカプレートの下に沈み込んだ後、さらにフィリピン海プレートの下に沈み込んでいます。

日本海溝における地震

日本海溝では、海溝型の大地震が頻繁に発生し、それに伴い津波も発生しています。特に2011年の東北地方太平洋沖地震は、マグニチュード9.0を記録する巨大地震でした。

主な地震発生地域

青森県東方沖
三陸沖（三陸はるか沖[[地震]]、東北地方太平洋沖地震など）
岩手県沖
宮城県沖
福島県沖
福島県東方沖
茨城県沖
房総沖
千葉県東方沖


東北地方太平洋沖地震では、日本海溝に沿って南北約500km、東西約200kmの広範囲にわたり断層が破壊されました。しかし、日本海溝と千島海溝の接続部分には、現在も地震空白域が残されており、約120kmの海底活断層の存在から、マグニチュード8規模の巨大地震の発生が懸念されています。また、日本海溝南端部の房総沖でも、同様に巨大地震の発生が危惧されています。

学術調査

重力異常調査

1934年、地球物理学者の松山基範は、海軍の潜水艦に重力測定装置を搭載し、相模湾から日本海溝上を航行して重力測定を行いました。その結果、日本海溝で負の重力異常を発見しました。この発見は国際的にも高く評価されました。

バチスカーフによる調査

1958年、日本とフランスの合同調査隊が潜水艇バチスカーフを用いて宮城県沖で水深3000mの調査を行いました。

日本海溝の生物相

第一鹿島海山の裾野でナギナタシロウリガイが確認されるなど、日本海溝と伊豆・小笠原[[海溝]]は、生物多様性の観点から重要な海域に選定されています。

関連項目

日本海溝海底地震津波観測網
日本海東縁変動帯
連動型地震

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