日本演劇協会

公益社団法人日本演劇協会：日本の演劇界を支える組織

公益社団法人日本演劇協会（JTAA）は、日本の演劇界における中心的な役割を担う団体です。1951年の設立以来、演劇文化の振興と演劇に携わる人々の権利保護に貢献しています。その歴史と活動は、日本の演劇史と深く関わっており、現代演劇の隆盛に欠かせない存在となっています。

協会は、戦後間もない1951年4月18日に、劇作家組合を母体として発足しました。当初から、演劇スタッフの著作権や隣接権に関する問題に積極的に取り組み、脚本料、演出料、装置料、照明料、音響効果料といった報酬の適正な設定などに尽力してきました。これは、演劇界の健全な発展のためには、クリエイターの権利保護が不可欠であるという信念に基づいた活動です。

1953年には文部省（当時）より社団法人としての認可を受け、その後も活動を継続し、演劇界への貢献を積み重ねてきました。1966年には『演劇年鑑』の発行を開始し、日本の演劇活動の記録と情報を広く提供しています。この年鑑は、演劇史研究や演劇界全体の状況把握に役立つ貴重な資料となっています。

さらに、協会は人材育成にも力を入れています。1988年には「劇作塾」を開講し、演劇界の将来を担う人材の育成に貢献しています。この塾では、講義やワークショップを通して、演出家や制作者、俳優、スタッフなど、演劇に関わる様々な分野の知識や技術を学ぶことができます。実践的なトレーニングを通して、演劇現場で活躍できる人材の育成を目指しています。

協会の活動は多岐に渡り、演劇年鑑の発行、演劇塾の開催以外にも、数々の事業に取り組んでいます。例えば、1966年から1970年、そして1996年からは復活した「社団法人日本演劇協会賞」は、優れた演劇作品や演劇人に贈られる賞として、演劇界の発展に貢献しています。また、近年では、文化庁からの委託事業にも携わるなど、日本の演劇界を支える存在となっています。

歴代会長には、久保田万太郎、北条秀司、河竹登志夫といった、日本の演劇史に名を残す著名な人物が就任しており、その活動は日本の演劇界に大きな影響を与えてきました。現在の会長は植田紳爾氏、名誉会長は河竹登志夫氏です。

東京都渋谷区千駄ヶ谷にある国立能楽堂内に事務局を置く日本演劇協会は、今後も日本の演劇文化の振興と演劇関係者の権利保護のため、活動を続けていくことでしょう。その活動は、日本の演劇界の未来を担う重要な役割を担っています。

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