日本特許分類

日本特許分類（JPC）概要

日本特許分類、日本語で言うとJPCは、日本において特許文献を整理するための独自の分類体系です。特許は新しい技術や発明を保護するための権利ですが、その可否を判断するためには、過去の技術を調べ、他者の特許を侵害していないかを確認する必要があります。こうした調査を容易に行えるよう、各国はそれぞれ異なる特許文献の分類システムを開発してきました。日本においても、1885年に施行された専売特許条例に伴い、初めての分類が作成されました。

歴史的背景

JPCの歴史は、1885年に遡ります。当初の分類は1890年代後半に組織されたもので、その後1921年、1948年といった大改正を経て、JPCは進化しました。しかし、1968年に国際特許分類（IPC）が導入されると、各国は全国の特許文献を一元的に検索するメリットから、IPCを取り入れる傾向が高まりました。

日本もこの流れに従い、1970年には特許公報からIPCのサブクラスとバージョンに基づく全階層の付与を開始しました。このため、JPCが次第に利用されなくなり、最終的には1980年にIPCに完全移行したため、JPCは歴史の中に埋もれてしまったのです。

特許分類の構造

JPCは、1類から136類までの数字でクラス分けされ、さらにそれぞれのクラス内にアルファベットや数字が追加されて階層的に構成されていました。たとえば、養蚕に関連する分類は次のように示されていました:

• - 7類 - 養蚕

- 7D - 飼料
- 7D0 - 飼料
- 7D25 - 桑刻み
- 7D3 - 代用飼料

このように、特許文献の内容に応じて階層が設定され、どの技術分野に属するのかを明確にすることが可能でした。

さらに、技術の進化に伴い、分類も細分化されました。例えば、97類は以下のように5つのサブクラスに分けられていたのです:

• - 97(3)類 - 模写電送
• - 97(5)類 - テレビジョン
• - 97(7)類 - 電気的デジタル計算
• - 97(8)類 - 電気的アナログ計算
• - 97(9)類 - 電気的ハイブリッド計算

JPCとIPCの違い

JPCは主に用途に特化した分類であるのに対し、IPCは用途や機能の観点からも分類されています。この違いにより、1977年の段階ではIPCの分類項目の方が多く、より詳細な技術情報の整理を可能にしていました。

現在も日本国特許庁は、独自の分類であるFIを使用していますが、これはIPCをさらに細分化したものであり、JPCとは直接の関連はありません。

JPCの運用は、特許文献の調査や技術の発展を支える重要な役割を果たしましたが、技術が進化する中で、その役割は終わりを迎えました。しかし、JPCの構造や運用から得られた知見は、今もなお特許制度の理解を助けるための貴重な資源として存在し続けています。

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