日本玩具協会

一般社団法人日本玩具協会

概要

一般社団法人日本玩具協会（にほんがんぐきょうかい、英: The Japan Toy Association）は、日本の玩具メーカーを主な構成員とする業界団体です。この協会は、安全で質の高い玩具の普及と玩具産業の健全な発展を目的として活動しており、その事業内容は多岐にわたります。具体的には、国内最大級の玩具見本市である「東京おもちゃショー」の開催、優れた玩具を表彰する「日本おもちゃ大賞」の主催、そして玩具の安全性を示す信頼のマークである「STマーク」の管理・運用などが挙げられます。

歴史

日本玩具協会の歴史は、1960年代に発足した「日本玩具組合」に遡ります。当時はブリキやセルロイド製の玩具が多く、子どもが遊ぶ上での安全性が十分でないケースが見られました。こうした状況を改善するため、玩具の安全性に関する基準づくりや啓発を担う組織として、日本玩具組合が設立されました。その後、玩具の素材がプラスチック製へと移行するなど産業構造が変化する中で、この組合はその役割を終えていきました。

現在の日本玩具協会は、1967年に設立された団体を基盤としています。1988年には、当時「東京国際玩具見本市」などを主催していた社団法人日本玩具国際見本市協会（1962年設立）と共に、現在の本部所在地である東京都墨田区東駒形へ移転。2000年には両団体が合併し、現在の一般社団法人日本玩具協会として、玩具産業の振興と安全性の確保という活動を一体的に推進しています。

STマーク（Safety Toyマーク）

STマーク（エスティーマーク）は、日本玩具協会が管理する、玩具の安全性に関する自主基準適合マークです。「Safety Toy（安全な玩具）」に由来するこのマークは、協会が定める厳格な玩具安全基準（ST基準）を満たし、協会の指定する第三者検査機関による検査に合格した玩具にのみ表示が認められます。

ST基準は、子どもが安全に遊べるように、玩具の機械的安全性、可燃安全性、化学的安全性といった観点から細かく定められています。例えば、小さな部品が取れて誤飲につながらないか、燃えやすい素材が使われていないか、有害な化学物質が含まれていないかなどが検査項目となります。

STマークは、主に15歳未満の子どもを対象とした玩具に付けられます。STマーク付き製品には必ず対象年齢が明記されており、対象年齢が低いほど、より厳しい安全基準が適用されています。第三者機関による検査を経たSTマークは、消費者が安全な玩具を選ぶ上で重要な目安となります。2010年時点では、日本国内で市販されている玩具の7割以上にこのマークが付与されており、その普及率は高いと言えます。

その他の事業

日本玩具協会は、「東京おもちゃショー」や「日本おもちゃ大賞」の主催を通じて、国内玩具産業の最新トレンド発信や活性化に貢献しています。また、業界向けのセミナーやシンポジウムを実施し、会員企業への情報提供や、技術・安全性の向上、環境問題など多岐にわたる課題に対する啓発活動も行っています。

事業所

東京本部: 東京都墨田区東駒形4丁目22番4号 日本文化用品安全試験所ビル5階
大阪支部: 大阪府大阪市東成区大今里南1丁目2番11号 O.Tビル8階

関連項目

東京おもちゃショー
日本おもちゃ大賞
SGマーク: 消費生活用製品の安全性を示すマーク。
spiel gut: ドイツの優れた玩具を推奨する認証マーク。

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