日本癌治療学会

一般社団法人日本癌治療学会について

一般社団法人日本癌治療学会（Japan Society of Clinical Oncology, JSCO）は、日本国内におけるがんの予防、診断、治療に関連する調査や研究を推進することを目的としている学術団体です。この団体は、2019年7月時点で17,263名以上の会員を有しており、日本の主要な学会の一つとして知られています。

概要

この学会は臓器横断的な性格を持ち、がん治療に関する幅広い分野で活動しています。具体的には、研究や論文の発表、人材育成を行っており、特にがん治療に関わる専門医の育成に注力しています。また、毎年1回の総会を開催し、最新の研究成果や情報を共有しています。地方会は設けられていないため、情報交換の場は主に年次総会となります。

機関誌と年会費

同学会は、定期的に2つの機関誌を発行しています。「International Journal of Clinical Oncology」は年間6回の発行で、14,000部を配布し、年間費用は22,000円です。そして、「International Cancer Conference Journal」は年間4回の発行となっています。年会費は原則として12,000円ですが、入会から5年未満の場合は10,000円、5年以上の会員には12,000円、評議員は15,000円となっており、会員のステータスによって異なる料金設定がされています。

がん治療専門医制度の問題

がん治療に関する専門医制度には、日本癌治療学会と日本臨床腫瘍学会の間で異なるアプローチが見られます。外科医が中心となる日本癌治療学会と、内科医を対象とした日本臨床腫瘍学会が、それぞれ独自の専門医制度を制定しようとしているため、患者団体からの統一の要望が高まっていました。これを背景に、2005年には日本医学会から「がん治療専門医をめぐっての提言」が行われ、これに基づいて3つの学会による「がん治療認定医制度」が設立されることに合意しました。

しかしながら、日本臨床腫瘍学会は独自に「がん薬物療法専門医」の認定制度を開始するなど、同じ提供目的を持ちながらも協力体制の構築が進まない状況もあります。これは、がん薬物療法に特化した専門性を育成することを目指す臨床腫瘍学会と、日本では外科医が抗がん剤治療を行うという現状にあたる学会との意見の食い違いが大きく影響しています。

関連事項

学会の活動は、甲高い専門性の確立だけでなく、多くの関連分野とも結びついています。良性・悪性腫瘍、緩和医療、ターミナルケアのほか、医師や薬剤師、看護師などの医療従事者、さらには国際的な機関である世界保健機関（WHO）やアメリカ疾患予防管理センター（CDC）などとも連携しています。

また、日本癌治療学会が設立した他の関連機関や、他国の医療団体とも情報交換や協力を強化し、製薬業界との対話も行いながら、医学の発展に寄与していることが多くの医療従事者に認識されています。学会のホームページでは、最新情報や研究成果を発信し、会員に向けたリソースも充実させています。

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