日本短波放送札幌送信所

日本短波放送札幌送信所

日本短波放送札幌送信所は、かつて北海道札幌市東区に設置されていたラジオたんぱ（現ラジオNIKKEI）の短波送信所です。1961年に開局し、1996年に根室送信所へ移転する形で廃止されました。

概要

送信所は札幌市東区北40条東12丁目から15丁目にかけて位置していました。その主な目的は、冬期や夜間に首都圏で発生しやすい電波のスキップ現象への対策でした。送信所では、反射器付き空中線を使用し、南方向へ指向性を持たせた送信を行っていました。これは、当時のソビエト連邦（現ロシア）方向への電波輻射を抑制するための措置でした。

現在、送信所があった場所は住宅地として開発されており、当時の面影を見ることはできません。

送信施設

送信機：NEC SGP-138A（1961年製）、HFB-7840C（1989年製）
空中線：反射器付変形ダイポール2列1段

沿革

1955年10月20日：実用化試験局の申請が行われました。
1959年2月8日：札幌中継局の申請が行われました。
1961年8月26日：札幌飛行場にほど近い、日本電信電話公社（電電公社）の烈々布無線送信所の一部を借りて開局しました。運用・保守は電電公社に委託されました（JOZ4　3945kc　10kW）。
1962年：札幌無線送受信所へ名称が変更されました。
1963年9月2日：第2プロの開始に伴い、JOZ5（3945kc　10kW）と時間差運用を行うため、0800～1700（JST）の間は停波しました。
1968年：札幌栄町送信所へ名称が変更されました（月次不明）。また、8月14日より無人運用が開始されました。
1971年：9月18日・19日に、長柄送信所（JOZ　3925kc　50kW）と同一周波数での送信実験（3925kc　10kW）が行われました。12月28日には、JOZとの同一周波数運用が開始されました（3925kc　10kW）。
1989年：送信機が更新されました。
1996年：3月31日にNTT札幌栄町送信所の廃局に伴い、札幌送信所も廃局となりました。10月17日には、NTT和田無線受信所跡地へ設備一式を移転し、根室送信所として再開局しました（JOZ4　3.925MHz　10kW）。遠隔制御による無人運用が行われました。

参考文献

『資料集　日本の短波放送』（日本短波クラブ編　2000年）
『ラジオNIKKEI開局50周年記念誌』巻末資料（ラジオNIKKEI編　2004年）
Radiofly Wiki 日経ラジオ社

関連項目

日本経済新聞社
札幌送信所
江別ラジオ放送所
烈々布

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