札幌送信所

札幌送信所（手稲山）

札幌送信所は、札幌市西区平和の手稲山に位置するテレビ・ラジオの送信所です。手稲山の山頂付近は強固な岩盤で、石狩平野を一望できるため、多くの無線送信・中継設備が設置されています。

歴史

1956年12月、北海道放送（HBC）がテレビ送信所を設置しました。当初、テレビ送信所の設置場所を巡り、HBCが手稲山への設置を主張したのに対し、NHK札幌放送局と札幌テレビ放送（STV）はさっぽろテレビ塔への設置を主張していました。しかし、後にNHKとSTVもHBCと同様に手稲山へ送信所を移設し、現在では札幌圏の全ての放送局のテレビ・FMラジオの送信所が手稲山に集約されています。

2006年には、全局一斉に地上デジタルテレビ放送を開始し、送信所も手稲山に設置されました。NHK札幌放送局の正式な放送局名は、手稲山テレビ・FM放送所です。

また、手稲山にはMCA無線、業務無線、JR北海道やNTT東日本、国土交通省、警察庁などの無線基地局や中継局、北海道大学の気象観測施設なども設置されています。

地上デジタルテレビジョン放送送信設備

地上デジタル放送における各放送局のチャンネルは、物理チャンネルではなく、リモコンキーIDで表記されます。

2005年6月10日に予備免許が交付され、2006年2月1日に試験電波が発射、2006年5月23日に本免許が交付、2006年6月1日から本放送が開始されました。

物理チャンネル番号16, 18, 20, 22, 24は深川アナログ中継局で使用されていたため、欠番となっています。（これらの物理チャンネルは札幌市内の一部中継局や小樽中継局のデジタル放送で使用されています。24chは深川アナログ中継局のほか、近隣の小樽中継局のアナログ放送でも使用していました。17chは手稲山アナログTVhの番号のため、使用できませんでした。）

札幌管内（NHK札幌局が放送されている地域）ではニセコ、岩内、黒松内中継局が同一の物理チャンネルを使用しており、機器のチャンネルスキャンは不要で、札幌のプリセットチャンネルを使用できます。

FMラジオ放送

札幌送信所からは、各放送局のFMラジオ放送も送信されています。

マルチメディア放送

2012年9月25日に旭川送信所とともにモバキャスの予備免許が交付され、10月15日に試験電波の発射を開始。12月13日に本免許が交付され、12月14日に本放送を開始しました。

2016年6月30日にNOTTVのサービス終了に伴いモバキャスは放送終了となりました。

2018年3月12日にVIPに対しV-Low帯マルチメディア放送の予備免許が交付され、2019年3月11日に本免許が交付されました。

送信所設置状況

NHK札幌放送局はFM放送の送信所建物の隣にデジタルテレビ放送送信施設の建物と鉄塔を別途新設しました。

FM放送の送信所はかつてアナログテレビ放送の送信設備も併設していました。現在の局舎はデジタルテレビは2005年、FM放送は2代目の局舎として1991年に完成したものです（1962年の手稲山移転当初に建てられた初代局舎の老朽化に伴う新築移設）。両局舎は渡り廊下で結ばれています。

非道新系のSTVとHTBは共同でデジタル用送信施設を新設（アナログは個別で設置）。

道新系のHBC、UHB、TVhは、個別設置のアナログの施設をそのまま運用。

HBCデジタルテレビに関しては唯一、局単独で設置（手稲山以外のHBCデジタルテレビ送信所・中継局は全て他局と共同で設置）。

札幌市内テレビ中継局

手稲山からの電波が届きにくい地域をカバーするため、札幌市内には複数の中継局が設置されています。

中央区
宮の森中継局
札幌山元中継局
札幌円山中継局
西区
宮の沢中継局
札幌西野中継局
南区
定山渓中継局
簾舞中継局
藻南中継局
札幌藻岩下中継局

これらの多くは、アナログテレビ放送時代に、手稲山に送信所を設置したことで生じた難視聴地域を解消するために設置されました。

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