日本絵本賞

日本絵本賞の概要

日本絵本賞は、日本国内で出版された絵本を対象に、公益社団法人全国学校図書館協議会が主催する賞です。この賞は、絵本の芸術の普及や絵本読書の振興、さらには絵本出版の発展を目的としています。1995年から毎年行われ、過去には「絵本にっぽん賞」として1978年から1992年に読売新聞社と共に運営されていた歴史があります。生まれた目的は、絵本の素晴らしさを広め、次世代に引き継いでいくためのものです。

受賞作品とその選定

日本絵本賞では、前年に出版された絵本が対象となり、最優秀作品には「日本絵本賞大賞」、優れた作品には「日本絵本賞」が与えられます。また、翻訳絵本に対しては「日本絵本賞翻訳賞」が用意されています。選考方法は厳密で、全国学校図書館協議会の絵本委員会による第1次、第2次選考を経て、作家や絵本研究者、美術評論家などの選考委員が最終決定を行います。優れた作品は、最大で4点まで授与され、該当作品がない場合は授賞が行われないこともあります。

選考委員会の特徴

選考委員会には、著名な絵本研究者や作家が名を連ねています。例えば、第27回の選考では松本猛（絵本・美術評論家）が選考委員長を務め、他の委員には伊藤たかみ（作家）、福田美蘭（画家）、小塚昌弘（読書推進運動協議会事務局長）、小林功（全国学校図書館協議会絵本委員会委員長）などが参加しています。

歴代受賞作品

これまでの受賞作品には、多くの名作が存在します。たとえば、第1回（1995年）の大賞には、あきやまただしの「はやくねてよ」が選ばれました。その後の受賞作も多彩で、それぞれの年に新たな魅力を持った作品が表彰されています。特に、絵本そのものだけでなく、翻訳絵本にも目を向けた受賞が行われており、国際的な視点からも日本の絵本文化の発展を促しています。

読者が選ぶ賞も

かつて存在した「日本絵本賞読者賞」は、一般の読者が選ぶ賞として広がりを見せ、人気作品には多くの支持が寄せられました。このような読者の反映を受けた選定は、絵本が親子にどれだけ愛されているかを示しています。手に取りやすく、楽しめる絵本の存在価値は非常に高く、そうした作品が評価されることは、今後の絵本創作にも期待が寄せられます。

終わりに

日本絵本賞は、絵本の愛好者にとって重要な存在であり、次世代の子どもたちに豊かな創造性を提供するために、これからもその役割を果たしていくでしょう。

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