福田美蘭

福田美蘭（ふくだ みらん）は、1963年2月6日生まれの日本の現代美術家です。東京都世田谷区出身で、父はグラフィックデザイナーの福田繁雄、祖父は童画家の林義雄という芸術一家に育ちました。聖心女子学院初等科、中等科、高等科を経て、1985年に東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業。1987年には同大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画を修了しました。

1988年6月、ギャルリーユマニテ東京にて初の個展を開催。同年10月からは、朝日新聞（夕刊）連載小説、赤川次郎の『人形たちの椅子』の挿絵を担当しました。1989年には、「第32回安井賞展」において、当時史上最年少の26歳で同賞を受賞し、その才能を広く知らしめました。

福田美蘭の作品は、過去の名画にデジタル加工を施したり、食材などの身近な素材を組み合わせたりするなど、既存の概念にとらわれない自由な発想が特徴です。その作風は、常に新しい表現方法を模索し、現代美術の可能性を広げるものとして高く評価されています。

主な受賞歴

1987年：第18回現代日本美術展佳作賞
1988年：第17回日本国際美術展富山県立近代美術館賞
1989年：第32回安井賞展安井賞 「水曜日」
1991年：第7回インドトリエンナーレ金賞
1992年：第21回現代日本美術展群馬県立近代美術館賞
1994年：第1回VOCA展VOCA賞
1995年：エイボン女性年度賞エイボン芸術賞
1996年：フィリップモリス・アートワード1996展優秀賞
1997年：第4回VOCA展選考委員特別賞
2001年：大阪トリエンナーレ2001堺市賞
2014年：第64回芸術選奨文部科学大臣賞
2024年：紺綬褒章

主な個展

1999年：「福田美蘭展」国立国際美術館
2013年：「福田美蘭展」東京都美術館
2021年：「福田美蘭展」千葉市美術館
2023年：「特別展　開館35周年記念 福田美蘭―美術って、なに？」名古屋市美術館

参考文献

福田美蘭『ピクチュアレスク -Miran Fukuda 1992-1998』朝日新聞社、1998年
「芸術新潮」1999年8月号
村田真『美術家になるには』ぺりかん社、2002年

福田美蘭は、その類まれな才能と独創的な表現力で、現代美術界において重要な存在感を放っています。彼女の作品は、観る者に新しい視点と深い感動を与え続けています。

関連項目

キヤノン・アートラボ

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