日本美術協会

公益財団法人日本美術協会

公益財団法人日本美術協会（にほんびじゅつきょうかい）は、日本において美術を振興する歴史のある団体であり、1879年（明治12年）に成立した龍池会をその起源とします。これは日本で最も古い財団法人であり、フジサンケイグループに属しています。

沿革

美術界における新たな動きに対し懸念を抱いた龍池会は、1887年（明治20年）に宮内省との関係を強化し、有栖川宮熾仁親王を総裁に迎え、「日本美術協会」と改称しました。これにより、伝統的な絵画を守るため、著名な画家たちが集まり、古典的な日本画を重視する運動が展開されました。

1888年には、『日本美術協会報告』という会報を創刊し、同年に宮内省工芸員の制度も設けました。会館は上野公園内に設立され、美術展が定期的に開催されました。この時期には会員数が増加し、設立時の478名から、1903年（明治36年）末には1560名にも及ぶピークを迎えました。これが協会の最盛期となり、文展期において両派の激しい対立がありました。

協会は単なる伝統保守にとどまらず、明治30年代以降は画面の明確化が進み、新たな画風が生まれました。従来の静的な花鳥画に代わり、歴史画が増え、作品名に用いられる「図」の字も減少していきました。ただし、過去の栄光に固執し続けたため、国粋的な立ち位置に揺らぎが生じました。その結果、若手アーティストたちが新たな場所を求め、活動の中心を文展に移すこととなりました。これに伴い、協会の会員数は減少し、宮内庁による作品の購入も大幅に減少しました。

日本美術協会は、第二次世界大戦によって一時的に活動を停止しましたが、戦後は活動を再開し、現在の上野の森[[美術館]]へと至ります。1971年に岸信介が会長に就任し、フジサンケイグループの一員として機能するようになりました。1988年には設立100周年を記念して、高松宮殿下記念世界文化賞が創設されました。以降も様々な会長職が就任し、活動の幅を広げてきました。

歴代総裁と主要な作家

日本美術協会は、多くの歴代総裁を持っています。中でも有栖川宮熾仁親王、常陸宮正仁親王、久邇宮邦彦王、高松宮宣仁親王などがその地位に就いていました。また、主要な作家としては、滝和亭、今尾景年、杉谷雪樵、荒木十畝などが挙げられます。

このように日本美術協会は、伝統を守りつつも進化を続ける存在として、多くの美術愛好家やアーティストに影響を与え続けているのです。

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