日本製紙石巻硬式野球部

日本製紙石巻硬式野球部

日本製紙石巻硬式野球部（にっぽんせいしいしのまきこうしきやきゅうぶ）は、宮城県石巻市を本拠地とする社会人野球の企業チームであり、日本野球連盟に加盟しています。チームは大手製紙会社である日本製紙が運営しています。

チームの歴史

このチームは1986年に十條製紙の石巻工場で『十條製紙硬式野球部』として誕生しました。1993年には母体である十條製紙と山陽国策パルプの合併により、名称を『日本製紙石巻硬式野球部』に変更し、チーム名には新たな認知が与えられました。また、山陽国策パルプの旭川工場にも硬式野球部が存在していましたが、そちらは『日本製紙旭川硬式野球部』に改称されました。

設立当初は、強豪が揃う宮城県の中で東北予選にすら進出できない時期が続きました。2000年シーズンの終了をもって日本製紙旭川が廃部となり、その後は当チームが本社唯一の硬式野球部として活動することになりました。以降はサンワード貿易などからの選手移籍に取り組むも、予選での敗退が続きました。

チーム改革と初出場

2009年、石巻工場の工場長の提案を受け、チームの改革が行われました。新たに意欲的な新人選手や、当年に休部となった日産自動車からの移籍選手を加えることでチーム力の向上を目指しました。この取り組みが実を結び、2010年には都市対抗野球の東北予選を全勝し、東北第1代表として本戦に初出場することができました。しかし、本戦ではヤマハに敗北しました。

災害と復旧

2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震による東日本大震災で石巻工場が被災しました。工場の復旧作業に追われる中、球場や練習場も利用できなくなり、旭川工場のグラウンドを使うなどして練習を続けました。復旧後は、石巻工業高校に室内練習場を提供し、同校は2112年のセンバツに21世紀枠として出場しました。

復旧を経て、かつて名門であった大昭和製紙のOBも指導陣に迎え入れ、さらなる強化を図りました。2013年には都市対抗野球の東北予選で第1代表の地位を掴み、3年ぶりの本戦出場を果たしました。本戦では、地元から8000人のファンが集結し、1回戦では信越硬式野球クラブ、2回戦ではJFE西日本に勝利し、8強進出を果たしました。

大会成績

このチームの主要な大会出場歴には、都市対抗野球大会への出場が6回あり、特に2013年の8強入りが最高成績です。また、日本選手権にも2回出場しています。地方大会では、2017年にJABA北海道大会とJABA東北大会で制覇しています。

プロ選手の輩出

日本製紙石巻硬式野球部からは、いくつかのプロ野球選手も輩出されています。例として、久古健太郎や比屋根渉、太田裕哉などが挙げられ、東京ヤクルトスワローズや東北楽天ゴールデンイーグルスに入団しています。

また、かつて在籍した選手や監督には松浦吉仁がおり、彼は選手としてだけでなく監督としてもチームに貢献しました。

まとめ

日本製紙石巻硬式野球部は、地域密着型のチームとして、様々な困難を乗り越えながら成長してきました。今後も社会人野球界での活躍が期待されます。

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