日本赤十字社長崎原爆病院

日本赤十字社長崎原爆病院

日本赤十字社長崎原爆病院（にほんせきじゅうじしゃながさきげんばくびょういん）は、長崎県長崎市にあり、長崎県支部が運営する重要な医療機関です。通称として「日赤」長崎原爆病院と呼ばれ、主に1945年8月9日に長崎市に原爆が投下された際に影響を受けた原爆症の治療と研究を主としていますが、その業務は原爆症以外にも広がり、地域住民に対し幅広い医療サービスを提供しています。また、長崎県南部における拠点病院としても重要な役割を果たしており、その機能は他県の赤十字病院と匹敵するものです。加えて、長崎県の災害拠点病院にも指定されています。

沿革

1945年の原爆投下以降の長崎において、病院の設立は急務とされ、1958年5月20日に長崎市片淵町で開院しました。この際、日赤名誉副総裁である高松宮妃が参列し、開院式が行われました。その資金調達には、お年玉付き年賀はがきの付加金が使われ、1億4,600万円が集まりました。病棟は鉄筋コンクリート造で、当初は81床を有し、多様な診療科が設けられました。

1961年には病床数が311床に増加し、原子力放射能障害対策研究所も設立されました。その後も病院は成長を続け、1980年には老朽化した建物から新しい施設への移転が決定。その結果、1982年には新病院が茂里町に完成し、病床数も360床に達しました。

1990年には当院を訪問した皇后が日赤名誉総裁としての役割を果たしました。このように、徐々に医療機関としての機能を強化し、技術や専門性の向上に努めています。また、1998年に別館の増築を行い、2003年には大韓赤十字社大邱赤十字病院との姉妹病院提携も開始しました。

ここ数年にもわたり、地域包括ケア病棟を開設し、病床数を350床に調整したり、新別館を竣工させたりするなど、常に進化し続けています。

診療科目

この病院では多岐にわたる診療科目を有しています。

• - 内科（神経・消化器・呼吸器・循環器・血液・代謝・内分泌・リウマチ）
• - 外科
• - 整形外科
• - 皮膚科
• - 泌尿器科
• - 婦人科
• - 眼科
• - 耳鼻咽喉科
• - 放射線科
• - 麻酔科

これらの診療に加え、看護部や薬剤部、リハビリテーション科なども併設しており、地域の健康を支えるための体制を整えています。

診療機関としての機能

日本赤十字社長崎原爆病院は、地域がん診療拠点病院や原爆症医療指定病院、二次救急告示病院といったさまざまな医療機関の指定を受けています。電子カルテ導入病院であり、健康保険、国民健康保険、労災などの療養取扱医療機関でもあります。災害時には、地域の医療支援を行う災害拠点病院としての役割も果たしています。

交通アクセス

交通の便も良く、JR浦上駅からは徒歩約2分、長崎電気軌道茂里町電停からは徒歩約7分という位置にあります。県営バスも利用でき、長崎駅からのアクセスも便利です。

長崎県における被爆者医療の中心的な役割を果たすこの病院は、地域住民の健康管理と医療の向上に貢献し続けています。

もう一度検索