日本鉱業日立硬式野球部

日本鉱業日立硬式野球部の概要

日本鉱業日立硬式野球部（にほんこうぎょうひたちこうしきやきゅうぶ）は、茨城県日立市を本拠地とする、かつて存在した社会人野球の企業チームです。このチームは日本野球連盟に加盟していましたが、1972年に解散しました。運営の母体は、金属製錬業を行う日本鉱業という企業です。

歴史と沿革

日本鉱業日立硬式野球部の起源は、1909年にさかのぼります。同年、久原房之助が鉱山を買収し、日立鉱山として事業を開始しました。1909年から14年後の1919年、この鉱山内に硬式野球チーム『日立鉱山硬式野球部』が設立されました。

1937年には都市対抗野球に初出場を果たしましたが、戦争の影響で活動は一時中断されました。戦後、活動を再開し、1955年にチーム名を『日本鉱業日立硬式野球部』に改称しました。改称後の1956年には都市対抗野球大会においてベスト8に進出するなど、一定の成果を上げました。

しかし、1972年12月に業績の低迷により活動を休止し、その後正式に廃部となりました。日立鉱山自体も1981年に閉山となり、企業としての歴史を閉じることとなりました。

チーム間の競争とイベント

日本鉱業日立硬式野球部は、日立市を本拠地とする兄弟企業である日立製作所硬式野球部と競り合う関係にありました。両チームの間では、定期的な試合が行われており、その中での対戦は「お山の早慶戦」とも称されていました。これらの対戦は地元ファンからの支持も厚く、地域の野球文化の一端を担っていました。

主な大会成績

日本鉱業日立硬式野球部は、数々の大会に出場しました。

• - 都市対抗野球大会：10回出場し、8強に進出したのは1956年です。
• - 日本産業対抗野球大会：7回の出場実績があります。
• - JABA東京スポニチ大会：1967年に優勝。
• - JABA広島大会：1971年にも優勝を果たしました。

このように、数々の大会での成績を上げ、社内外からの認知度を高めました。

出身プロ野球選手

日本鉱業日立硬式野球部からは多くのプロ野球選手が輩出されています。代表的な選手には、1958年に大毎オリオンズに入団した三平晴樹、1959年に国鉄スワローズに入団した中村修一郎などがいます。また、1960年には近鉄バファローに入団した大野守も有名です。他にも1967年ドラフトで入団した簾内政雄や、1972年にドラフト外で日拓ホームフライヤーズに入団した鴨川清など、彼らは後に日本プロ野球界で重要な選手として活躍しました。

終焉と影響

日本鉱業日立硬式野球部は、1972年の解散によりその歴史に幕を下ろしましたが、地域の野球文化や後の選手たちに与えた影響は大きいものでした。歴史的な観点から見ると、当チームは社業だけでなく、地域社会においても重要な役割を果たしました。

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