日本防衛学会

日本防衛学会：学術と実務の連携による安全保障研究の推進

日本防衛学会は、国際社会の複雑化と安全保障環境の流動化を踏まえ、学術研究と防衛政策の実務を融合させることを目的として設立された学術団体です。高度化する国際情勢において、効果的な安全保障を実現するためには、学者・研究者と防衛に関わる実務家・専門家の連携が不可欠との認識から、両者の知恵と経験を結集した研究活動が展開されています。

学会設立の理念と活動

学会設立の理念は、「学術研究と実務の統合」と「知性に導かれた実行力の達成」に集約されます。そのため、安全保障や国際関係に関心を持つ研究者だけでなく、自衛隊員や防衛関連の専門家も積極的に参加を促し、研究活動と政策提言の両輪で発展を遂げています。

学会活動の中心は、安全保障に関する学術研究の推進です。研究発表会やシンポジウムの開催、研究成果の公表を通して、会員間の情報共有や議論の活性化に貢献しています。さらに、政策提言活動にも力を入れており、その知見を活かした具体的な政策提言を行うことで、日本の安全保障政策に貢献することを目指しています。

沿革と組織

日本防衛学会は、防衛大学校防衛学研究会を前身として、2007年に設立されました。2011年には、日本学術会議から協力学術研究団体として指定を受け、学術界における地位と信頼性を確立しています。現在、東京都新宿区に本部を置き、全国に会員を擁する組織となっています。

学会は、会員相互の連携強化と研究活動の活性化を促進するための様々な取り組みを実施しています。会員向けの情報発信、研究交流の機会の提供、若手研究者の育成支援など、多角的な活動を通して、学会の持続的な発展と安全保障研究の更なる進展に貢献しています。

顕彰活動

日本防衛学会は、安全保障研究への貢献者を顕彰する活動にも積極的に取り組んでいます。その一つとして、政治学者である故猪木正道氏の功績を称え、「日本防衛学会猪木正道賞」を創設しました。この賞は、安全保障研究に顕著な功績のあった個人・団体に授与され、日本の安全保障研究の発展に大きく貢献しています。

名誉称号授与者

日本防衛学会は、安全保障研究に多大な貢献をした個人に対して、名誉称号を授与しています。これまでに、五百籏頭眞氏、猪木正道氏、志方俊之氏、冨澤暉氏、渡邉昭夫氏など、日本の安全保障研究を牽引してきた著名な人物が名誉会長や名誉会員に選任されています。これらの功績ある人物の貢献は、学会の発展と日本の安全保障研究の深化に大きく影響を与えています。

今後の展望

日本防衛学会は、今後も安全保障に関する学術研究の推進、政策提言、人材育成に力を入れていくことでしょう。国際社会の情勢変化に対応し、常に最新の知見を提供することで、日本の安全保障政策に貢献していくことが期待されます。また、学術界や実務界との連携を強化し、多様な視点を取り入れることで、より質の高い研究成果を創出し、社会貢献を果たしていくことが求められています。変化する国際情勢の中で、日本防衛学会の役割はますます重要性を増していくものと考えられます。

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