志方俊之

志方俊之

志方俊之氏は、1936年3月30日生まれの日本の防衛評論家であり、帝京大学名誉教授、星槎大学客員教授を務めています。元陸上自衛官で、最終階級は陸将です。京都大学で工学博士号を取得しています。

経歴

静岡県浜松市出身で、金沢大学附属高等学校、防衛大学校（土木工学専攻）を卒業後、京都大学大学院工学研究科博士課程を修了しました。陸上自衛隊では、岩見沢駐屯地第102施設大隊長、アメリカ陸軍戦略大学研究員、在米国大使館防衛駐在官、陸上幕僚監部人事部長、第2師団長、防衛大学校幹事、北部方面総監などを歴任しました。特に、北部方面総監時代には、陸上自衛隊初の方面隊規模の災害対処訓練「ビッグレスキュー'91」を統裁しました。

退官後は、帝京大学法学部教授として国際関係論を教え、新聞、雑誌、テレビなどのメディアで防衛問題に関する解説を行っています。テレビ番組では、『ビートたけしのTVタックル』、『たかじんのそこまで言って委員会』、『朝まで生テレビ!』などに出演しています。

1999年には、石原慎太郎東京都知事の要請で東京都参与に就任し、防災・治安問題に関するブレーンとして活動しました。2013年に一旦退任しましたが、猪瀬直樹知事の要請で再び就任しました。また、特定非営利活動法人日本防災士機構理事、日本国際フォーラム政策委員も務めています。

主張

集団的自衛権については、憲法違反であると主張し、日本国憲法の改正が必要であると訴えています。また、核武装論についても積極的に発言しており、日米共同核保有によって核抑止を分担すべきだと主張しています。日本単独での核武装については、政治的・経済的リスクが高いとして否定的です。核を「持てるけれど持たないでおく」という立場を堅持し、核不拡散のための外交努力、通常戦力の強化、アメリカとの連携強化が重要であると述べています。

略歴

1954年：金沢大学附属高等学校卒業
1958年：防衛大学校（土木工学）卒業、陸上自衛隊入隊
1966年：京都大学大学院工学研究科博士課程単位取得
1972年：アメリカ陸軍工兵学校・幹部上級課程留学
1974年：第102施設大隊長
1977年：1等陸佐、アメリカ陸軍戦略大学国際研究員
1981年：外務事務官兼陸将補、在アメリカ合衆国日本国大使館参事官兼防衛駐在官
1984年：第2施設団長兼船岡駐屯地司令
1985年：陸上幕僚監部人事部長
1987年：陸将、第2師団長
1988年：防衛大学校幹事
1990年：北部方面総監
1992年：退官
1994年：帝京大学法学部教授
1999年：東京都災害対策担当参与
2000年：東京都総合防災訓練（ビッグレスキュー東京2000）にて自衛隊統合防災演習を指揮
2004年：星槎大学共生科学部客員教授
2007年：瑞宝中綬章受章
2012年：防衛大臣補佐官
2013年：東京都災害対策担当参与を再任

栄典

瑞宝中綬章（2007年）

著書

『自衛隊はどこへ行く――冷戦後の日本の安全保障を論ず』 日本評論社（1994年）
『極東有事――かくて日本は戦争に引き込まれる』 クレスト社（1996年）
『現代の軍事学入門――世界を読み解く鍵』 PHP研究所（1998年）
『最新・極東有事――そのとき日本は対応できるか』 PHP研究所（1999年）
『自衛隊に誇りを――銀座に装甲車を入れた元陸将の「国防軍」改革案』 小学館文庫（2001年）
『「フセイン殲滅」後の戦争――アメリカは北朝鮮、中国、世界をどうするのか』 小学館（2003年）
『無防備列島』 海竜社（2006年）
『日本はこのままでは生き残れない -あまりに脆弱な国防の実態- 』 PHP研究所（2007年）
『危機 -平和ボケ日本に迫る- 』 海竜社（2012年）

出演番組

ビートたけしのTVタックル（テレビ朝日）
たかじんのそこまで言って委員会（読売テレビ）

外部リンク

* 志方俊之（日本財団図書館－私はこう考える（自衛隊について））

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