猪木正道

猪木正道について

猪木正道（いのき まさみち、1914年11月5日 - 2012年11月5日）は、日本の政治学者として著名であり、特に安全保障問題に関する研究で知られています。京都大学名誉[[教授]]としての立場を持ち、また防衛大学校の第3代校長を務め、平和・安全保障研究所の顧問も歴任しました。彼は「日本政治学界の大御所」として広く認識されており、特に政治思想に関する深い知見を持つ論客として名を馳せました。1970年代から1990年代にかけての日本の政治及び社会情勢についての論考や提言が多く、彼の業績は今なお多くの人々に影響を与えています。

略歴

猪木は京都府京都市に生まれ、幼少期は三重県伊賀市で過ごしました。東京大学に進学し、特に河合栄治郎の演習に参加し、自由主義と社会主義に根ざした思想を学びました。彼は共産主義や軍部の政治関与に対して批判的な立場を取り続け、戦後の日本が持つ平和主義の危険性を指摘しました。

彼の政治思想は、特に旧ソ連の独裁的な体制に対する批判が顕著で、マルクス主義の理論的欠陥を指摘し、社会主義に対しては反共的な立場を持ちました。その一方で、彼の思想に対しては多様な見解が存在し、時には批判を受けることもあったようです。中川八洋は、「猪木は隠れソビエトシンパだった」との見解を示したこともあります。

猪木はまた、多くの優れた学生たちを指導し、彼らの中には高坂正堯や木村汎などが含まれています。彼自身も「正論」というコラムを産業新聞に掲載し、ジョン・ロックから福田恆存に至るまで、様々な影響を受けながら社会の動向に対する見解を述べました。

学歴と職歴

1931年に旧制三重県立上野中学校を卒業後、1934年には旧制第三高等学校を卒業し、1937年には東京帝国大学経済学部を卒業しました。彼は1946年から成蹊高等学校の教授を務め、のちに京都大学法学部助教授、そして教授に昇任しました。1970年には京都大学を退官後、防衛大学校に赴任し、校長としても活躍しました。

彼は1982年に防衛大学校を退官し、青山学院大学国際政治経済学部教授として教鞭を執り、後に名誉[[教授]]にも就任しました。彼の研究成果は多くの著作に残されており、日本の政治学において重要な資料となっています。

受賞歴と著作

猪木は1981年に紫綬褒章を受章し、1986年には勲一等瑞宝章を授与されました。さらに、2001年には文化功労者としても称えられました。著書には、『ロシア革命史』『共産主義の系譜』『戦争と革命』などがあり、彼の著作は日本の政治思想に多大な影響を与えました。また、彼の著作集も編纂され、彼の思想や活動が体系的に理解される助けとなっています。

猪木正道は、2012年11月5日に98歳で亡くなりました。生没同日という彼の人生は、政治思想の探究と平和を求める姿勢に満ちたものでした。彼の研究が日本の未来にどのように貢献していくのか、今後の議論が期待されます。

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