日本陸水学会

日本陸水 学会

日本陸水学会（The Japanese Society of Limnology）は、日本における陸水学の研究を推進する学術団体です。

略歴

日本における陸水学の歴史は、1899年（明治32年）に田中阿歌麿が山中湖の深度を計測したことに始まります。1922年（大正11年）に国際理論応用陸水学会が設立されたことが契機となり、日本でも陸水学研究団体の必要性が高まりました。そして1931年（昭和6年）6月3日、東京一橋の学士会館において「日本陸水学会」が設立され、初代会長には田中阿歌麿が就任しました。同年12月には学会誌『陸水学雑誌』第1号が刊行され、翌1932年（昭和7年）5月には初の総会が開催されました。

学会は発展を続け、2015年（平成27年）時点での会員数は785人、2020年時点では総会は84回を数え、『陸水学雑誌』は80巻を刊行しています。

出版物

学会誌は、2000年（平成12年）から以下の2誌に分かれて刊行されています。

陸水学雑誌（日本語）
Limnology（英語）

賞

学会では、陸水学の発展に貢献した研究者や若手研究者を表彰するため、以下の賞を設けています。

田中賞
吉村賞: 学会誌に優れた論文を発表した、最終学歴取得後10年以内の若手会員が対象です。吉村信吉の名を冠しています。
論文賞
優秀口頭発表賞
ポスター賞
国際交流奨励賞

陸水学の名称について

当初、Limnologyの訳語としては「湖沼学」が用いられていました。しかし、1931年の学会設立時に、研究範囲を湖沼だけでなく、河川、地下水、雪、氷など内陸部の水全般に広げることとなり、「陸水学」という新たな言葉が採用されました。

参考文献

日本陸水学会編『陸水の事典』講談社、2006年。ISBN 4-06-155221-X。
鈴木静夫『日本の湖沼 : 湖沼学入門』（第6版）内田老鶴圃新社、1992年。ISBN 4-7536-4009-4。

日本陸水学会