日本陸軍臨時軍用鉄道監部100号形蒸気機関車

100号形タンク機関車の概要

100号形は、かつて日本陸軍が運用していたタンク式蒸気機関車で、主に朝鮮や満洲の軍用鉄道で働いていました。この機関車は、ボールドウィン製で、0-6-0(C)の車軸配置を持つ飽和式単式2気筒機関車です。762mmの軌間を持ち、全長6,299mm、全高2,794mm、動輪直径762mmといった規格を持っています。また、日本に初めて輸入されたボールドウィン製の蒸気機関車として、釧路鉄道の機関車（後に鉄道院7000形）が知られています。

設計と導入の歴史

100号形は、初期型と後期型に分類されており、特に3次車の設計変更では側水槽の容量を2.3m³に増やし、運転台背部に炭庫を設置する「大形」と呼ばれるバリエーションが製造されました。このように、仕様が改良された結果、機関車の性能も向上し、運用の幅が広がりました。

この機関車の導入は、1901年に南北から建設された京釜鉄道に端を発しますが、ロシアとの対立が深まり、建設が急がれました。1904年には、未完成区間を762mm軌間の軽便鉄道で迅速に完成させるため、100号形が発注されました。当初は軽便鉄道規格の採用予定でしたが、後に標準軌での建設に方針転換され、これに伴って30両が兵站輸送用として満洲で使用されました。

製造の状況

100号形は、1次から3次まで製造され、合計で82両が輸入されました。製造の詳細は以下の通りです：

• - 1次車（30両）：1904年2月から4月に製造され、番号100から129までが付与されています。
• - 2次車（25両）：1904年8月から10月にかけて製造され、番号26から50まで。
• - 3次車（27両）：1905年3月に製造されたもので、番号51から77です。

この期間中に小型の1両が水害で流失したものの、残りの機関車はようやく使われるようになり、安奉線の軍事用路線で働きました。

廃止とその後の運用

1911年には、安奉線の改軌工事が完了し、100号形はその役割を終えます。その後、機関車は満洲や朝鮮の各地の鉄道に分散し、さらに内地でも導入されました。

朝鮮では、釜山軌道が改軌した際にこの形式の機関車が使用され、全北軽便鉄道や价川軽便鉄道などでも活躍しました。特に、朝鮮軽便鉄道慶東線では7両が譲渡され、改築を経て長く運用されたことが知られています。

内地では、満洲で不要になった機関車の一部が軽便鉄道に譲渡され、岩手軽便鉄道、愛媛鉄道、宮崎県営鉄道などで使われました。特に岩手軽便鉄道では、他の多くの機関車と同様に、原形を保ったまま運行され続けましたが、最終的に国有化されることになります。

結論

100号形タンク機関車は、軍事用途から民需に至るまで幅広く運用され、当時の鉄道の発展と密接な関係を持った重要な存在です。散逸した資料や記録の中には、今なお多くの謎が残されていますが、彼らは同時代の鉄道史において貴重な役割を果たしたことは間違いありません。

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