日比谷セントラルビル

日比谷セントラルビル

日比谷セントラルビルは、東京都港区西新橋に位置する壮大な超高層ビルです。このビルは、その設計と歴史において豊かな背景を持ち、さまざまな企業のオフィスとして利用されています。

歴史的背景

この場所には、かつて江戸城の外濠が存在していました。その後、1934年に日産コンツェルンによって「日産館」が建てられました。しかし、第二次世界大戦中の1944年には大日本帝国海軍に接収され、艦政本部が置かれることになります。この時期、建物はその用途を大きく変えました。

戦後は外務省や厚生省が使用していたものの、日産コンツェルングループによって買い戻されました。しかし、1956年には三井物産により買収され、名称が「物産館」と改められます。当時、物産館を含むいくつかの建物は三井物産によって所有されていましたが、1976年に新たに大手町に三井物産ビルが完成するまでの間、旧田村町や内幸町周辺では多くの営業活動が行われていました。1980年7月まで警視庁が仮庁舎として使用した後、1981年1月に物産館は解体されました。

物産館の建て替えプロジェクトは、北隣のNHK東京放送会館や富国館と一体での再開発も検討されていましたが、最終的には単独での施工が決定しました。1981年1月に着工され、約2年4ヶ月の工期を経て、1983年5月31日に新しい日比谷セントラルビルが竣工しました。

建築の特徴

日比谷セントラルビルは、その特徴的な外観が目を引きます。ビルは東西に細長く、各面には細い縦連窓が1本ずつ設けられています。外壁は淡いピンク色のスペイン産花崗岩で仕上げられ、高級感が漂います。建物内は、東西両側にコアが配置され、約950平方メートルの無柱空間がオフィス部分に確保されています。地下施設には、60トンの受水槽が2基設置されており、輸入ヒノキ材で作られています。

また、日比谷通りに面した敷地の東側には、施工を担当した4社から山本衛士の彫刻「王と王妃」が寄贈されています。敷地の南西角には、隣接する物産ビル別館の建設中に発見された江戸城外濠の石垣が復元・保存されています。1985年には第26回BCS賞を受賞しています。

主な入居企業

このビルは、多くの企業のオフィスとしても知られています。主な入居企業には、三井農林、三井石油開発、日産厚生会診療所、サーブコープ、東京日商エステムなどがあります。さらに、双日新都市開発や千代田組もこのビルの一部を利用していますかつては日比谷セントラルビル内に郵便局が存在しましたが、2009年5月に西新橋一郵便局と統合され、西新橋郵便局となり、廃止されました。

日比谷セントラルビルは、その魅力と機能性を兼ね備えた建物であり、今なお多くの企業の活動の拠点となっています。

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