日満産業大博覧会

日満産業大博覧会

日満産業大博覧会は、1936年4月15日から6月8日までの55日間、富山県富山市で開催されました。この博覧会は、地域の商工業の発展を促進し、国民の関心を高めることを目的として実施されました。略称は「日満博」です。会場は当時の神通川の廃川埋立地に設けられ、現在の富山県庁舎周辺にあたります。

開催の背景

この博覧会の発起人である富山商工会議所の会頭、金岡又左衛門は、1933年に富山市を中心に博覧会を開設する旨の意見書を提出しました。この提案を受けて、開催地については富山市と高岡市の間で対立がありましたが、最終的には富山市での開催が決定しました。これは全国における博覧会開催の盛り上がりを受けたもので、特に1932年に金沢市で行われた「産業と観光の大博覧会」が影響を与えたとされています。

当初は1935年8月の開催を予定していましたが、1934年の大水害の影響で開催は翌年に延期されました。この博覧会は、時代背景として第一次世界大戦後の国内商工業の発展がありました。

会場と設営

会場となる神通川廃川地の処分は明治末からの課題でありましたが、博覧会の開催を契機にこの土地活用が進みました。富山県庁舎や日本放送協会富山放送局、富山電気ビルディングなどがこの地に建設されたのです。

展示内容・入場者

博覧会には18の直営館と16の特設館が設けられ、展示内容は19万点を超えました。具体的な館名としては、「本館」「富山県館」「電気と工業館」「観光館」「日満記念館」をはじめ、多様な分野を網羅するパビリオンが揃っていました。また、入場者数は913,030人に達し、多くの人々が訪れたことが記録されています。入場料は、大人が35銭、12歳未満が15銭、現役下士官兵が30銭となっていました。

交通の整備

博覧会の開会に合わせて、富山市営軌道の市内循環線も開通し、地域の交通インフラが整備されました。これにより、博覧会へのアクセスは更に便利になり、多くの人々の来場に寄与しました。

まとめ

日満産業大博覧会は、地域の発展に大きな影響を与え、富山市の商工業の振興に寄与した重要なイベントでした。この博覧会の成功は、商工業だけでなく、市民生活や交通整備にもポジティブな影響を与えたと言われています。富山の歴史における重要な出来事として、今でも多くの人々に語り継がれています。

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