日産ディーゼル・スペースアロー

スペースアロー（Space Arrow）

スペースアローは、2010年までUDトラックス（旧・日産ディーゼル工業）が製造していたハイデッカー型の大型観光バスシリーズを指します。特に、スーパーハイデッカーとして派生したモデルであるスペースウイング（Space Wing）もあります。以下では、日産ディーゼルのバス製造の特徴や歴史、そしてスペースアローの諸モデルについて詳しく解説します。

概要

日産ディーゼル工業においては、バス製造分野で独自の地位を確立していました。ただし、他のメーカーとは異なり自社内に車体製造部門を持たなかったため、外部メーカーに依存する形でバスを生産していました。具体的には、富士重工業と西日本車体工業が主に車体を手がけていました。2003年4月からは車体架装を西日本車体工業に一本化し、その後も同社との協力関係を保っていきました。さらに、後期には三菱ふそうトラック・バスとのOEM供給が始まり、三菱ふそうバス製造の車体が使用されることになりました。

ラインナップ

西日本車体工業解散時のスペースアローのラインナップには、さまざまなモデルが含まれていました。

• - スペースウイングI：12m仕様、型式は西工のネオロイヤルSD-II型
• - スペースアローRA：11mと12mの2バリエーション、共に西工製
• - スペースアローA：12m、型式はMFBM製
• - その他：最終的にはスペースウイングAとスペースアローAが2010年までの主力製品となり、2011年に生産が終了しました。

RA系モデル

RA系は1973年、昭和48年の排出ガス規制を受けて、2サイクルUDエンジンからのモデルチェンジが行われたことで登場しました。具体的には、RA50系やその後のK-RA51系、K-RA60Sなどさまざまなバリエーションがありました。エンジンの出力も次第に向上し、車体も富士および西工による架装が行われました。特に、RA50系のRA50T型は日産ディーゼル初の12mフルサイズ観光バスとして注目されました。

K-RA51系

1980年にはK-RA51系に進化し、エンジン出力が300psに増強されました。この時期には、富士および西工双方での車体架装が増加し、バリエーションが豊かになりました。

スペースウイングとスペースアローの関係

従来「RA」として知られていたモデルには、ハイデッカーのスペースアローRAと、スーパーハイデッカーのスペースウイングIという名称が付与され、様々な改良が行われました。

終焉と後継モデル

2006年にはPKG-RA274系として新型モデルが登場しましたが、2010年には生産が終了し、以後は三菱ふそうからのOEM供給車、スペースウイングAおよびスペースアローAへと移行しました。これにより、日産ディーゼルは2011年をもってバス事業から撤退しました。

まとめ

スペースアローシリーズはその登場から多くの変遷を経て、観光バス市場において重要な役割を果たしてきました。この歴史を振り返ることで、UDトラックスのバス事業の影響力や技術力を再認識することができるでしょう。

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