日産ディーゼル・FJ

UDトラックス FJ：はしご車専用シャーシ

UDトラックス（旧日産ディーゼル工業）が製造するFJは、はしご車のために特別に設計された専用シャーシです。ラフテレーンクレーンをベースとして開発され、高度な機能と優れた性能を備えています。

概要

FJは、ラフテレーンクレーンをベースとしたAZ、AX型の後継モデルとして登場しました。主な特徴は以下の通りです。

4WS（四輪操舵）: 逆位相による最小回転半径の縮小に加え、同位相による「カニ足走行」も可能です。これにより、狭い場所や複雑な地形でも優れた操縦性を発揮します。
オートマチックトランスミッション: スムーズな変速と運転の容易性を提供します。
油圧式サスペンション: 不整地での走行安定性と乗り心地を向上させます。

車体（キャビン）はバス用がベースとなっており、主に日本機械工業のはしご車に使用されていますが、少数ながらモリタが架装した例も存在します。標準装備として、425/65R22.5というスーパーワイドタイヤが採用されています。近年では、車両重量と軸重の保安基準緩和を受け、25tおよび10t以上の車両には445/65R22.5サイズのタイヤが装着されています。

はしごの長さは30mから40mまで対応しており、シャーシは全車2軸仕様です。3軸仕様は存在しません。なお、東京消防庁にはFJは一台も配備されていません。

歴史

FJ550LN (1998年)
V型8気筒のRH8型エンジンを搭載
5速オートマチックトランスミッション
前面警光灯はバンパーに埋め込み式

FJ552LN (2000年12月)
平成11年排出ガス規制および中期安全ブレーキ規制に適合
コーナリングランプの形状が富士重工業（現SUBARU）のバス用車体と共通の部品に変更
2003年、富士重工業のバス車体製造撤退に伴い、西日本車体工業製の車体がベースとなる
千葉県四街道市消防本部向けに、特注でビッグサム用のディスチャージヘッドランプを装備した車両が導入された

FJ483LN (2008年)
平成17年度排出ガス規制に適合
エンジンをGE13（13リッター直6ターボ）に変更、尿素SCRシステムを搭載
オートマチックトランスミッションが5速から6速に変更

関連項目

日野・MH - モリタと日野自動車が共同開発したはしご車専用シャーシ。

外部リンク

はしご付き消防ポンプ自動車（日本機械工業）

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