日産・アルメーラ

アルメーラ（Almera）

アルメーラは、日産自動車が海外市場向けに提供している小型乗用車です。日本国内では、これまでにパルサーやブルーバードシルフィ、ラティオなどの名称でも販売されていました。以下では、各代ごとのアルメーラの特徴を詳しく説明します。

初代 N15型（1995年 - 2000年）

初代アルメーラは1995年にヨーロッパで発売されました。日本のN15型パルサーの欧州仕様車として位置づけられ、「サニー」から名称が変わりました。基本的には日本向けモデルと同じ性能を持ち、1.4リットルGA14DE型や1.6リットルGA16DE型ガソリンエンジン、2リットルCD20型ディーゼルエンジンなどが搭載されました。また、1996年からはGTiモデルも追加され、特に3ドアのラインアップが好評を得ました。

次第に、パワーステアリングや運転席エアバッグなどの基本装備が充実し、1998年にはデザインのマイナーチェンジも実施されました。同じ年には、特に自動車レースにも参加することになり、「アルメーラ・キットカー」が使用され、競技に挑みました。残念ながらラリー活動はその後縮小され、2000年には生産が終了しました。

2代目 N16型（2000年 - 2006年）

2000年に発売された2代目は、オセアニアでは引き続き「パルサー」として販売され、日本では「ブルーバードシルフィ」との名称で市場に投入されました。このモデルは日産のMSプラットフォームを採用し、様々なエンジンオプション（1.5リットル、1.8リットルガソリンエンジンや、2.2リットルディーゼルエンジン）が用意されました。特に、2003年のマイナーチェンジでは外装デザインやサスペンションの改善が行われ、評価を高めました。最終的に、2006年に生産を終了し、ティーダがその後を継ぎました。

B10型（2006年 - 2010年）

B10型のアルメーラは2006年から販売が開始され、韓国のルノーサムスン自動車にて製造されました。N16型アルメーラをベースにしながら、エンジンやトランスミッションの違いがあり、主に南米や中東の市場をターゲットにしていました。このモデルは日本ではあまり目立つことがありませんでした。生産は釜山工場で行われ、搭載されるエンジンは1.5リットルと1.6リットル型が中心です。

3代目 N17型（2011年 - 現在）

2011年にタイで発表された3代目アルメーラは、日産のVプラットフォームを採用したセダンタイプで、日産のティーダラティオの後継モデルです。このモデルは中国とインド市場では「サニー」として販売され、アメリカ大陸では「ヴァーサ」として知られています。また、エンジンのバリエーションも広く、オーストラリア仕様ではHR15DE、タイ仕様では小排気量のHR12DEエンジンが搭載されました。トランスミッションも多彩で、さまざまな選択肢があります。

日本での販売は、タイから輸出される形で行われており、2012年には「ラティオ」という名称で市場に登場しましたが、2016年には輸入販売を終了しました。

B11型（2012年 - 2013年）

2012年にはロシア向けモデルの発表があり、G11型シルフィをベースにしつつ、Bセグメントの価格でDセグメントの室内空間を提供することがアピールポイントでした。エンジンは1.6リットル型が採用され、トランスミッションとして5速MTと4速ATの選択が可能でした。

4代目 N18型（2019年 - 現在）

最新の4代目アルメーラは2019年に公開され、新開発の1.6リットル直列4気筒エンジンを搭載しています。北米では「ヴァーサ」として展開され、アジア市場でも新たに販売が進められています。特に2022年には、アメリカ向けのモデルが発表され、日産の新ロゴとともに一新されたデザインが印象的です。

アルメーラは、日産の特に重要な小型乗用車の一つとして、多様な市場で支持を受け続けています。過去から現在にかけてのリリースは、それぞれ異なる地域特性やニーズに応じた設計となっているため、注目に値する存在です。

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