日産・キューブ

日産・キューブとは

日産自動車によって製造された「キューブ」は、ユニークな形状が特徴のトールワゴンです。この車はスペース効率を重視した設計がされており、一般的なミニバンとは異なる個性的かつ使いやすいスタイリングが広く受け入れられました。特に、ボンネットが目立つデザインは、他のミニバンとは一線を画しています。

概要

「キューブ」は日産とその親会社であるルノーが共同で開発したプラットフォームを基にしており、マーチやルノー・モデュスと同様にこの基本技術を共有しています。1989年に開催された東京モーターショーでのコンセプトカー「シャポー」からインスパイアされ、2代目以降は左右非対称のボディデザインも大きな特徴となっています。また、特にそのスペース効率も評価され、小型タクシーとしても使用されることがありました。

「キューブ」の車名ロゴには、一般的なNE-01フォントではなく、独自の書体が採用されているのも一つのユニークさと言えるでしょう。初代モデルであるZ10型は、1998年に発売され、当初、月10,000台以上の販売数を記録しました。これにより、登録台数1位を達成し、生産工場では休日出勤が続くほどの人気となりました。

初代 Z10型（1998年 - 2002年）

初代キューブは、1998年2月に発売され、4種類のグレードがありました。「F」や「S」、「X」、さらにはオーティックジャパンがプロデュースしたドレスアップモデル「ライダー」がこれに含まれます。特に、前期型はブルーライトメーターが特徴で、CMには草野仁と河相我聞が出演していました。

1999年には「ライダー」や「プレミアム」など、特別仕様車が登場し、売り上げはさらに上昇しました。2002年には生産が終了し、その間にトミカラの「トミーカイラスチャン」などのカスタマイズモデルも展開されました。

2代目 Z11型（2002年 - 2008年）

2002年に発表された2代目モデルは「シャッポ」というコンセプトカーを基にしており、独特なデザインが特徴です。このZ11型では、1.4Lエンジンが採用されたほか、リアウィンドウのデザインに大きな変化があり、量産車にそのデザインが受け継がれました。人気の「キューブキュービック」もこの時期に登場し、3列シートのバリエーションが加わるなど新しい展開がありました。

2011年には燃費効率が向上し、エコカーとしての側面も強化されていきました。

3代目 Z12型（2008年 - 2020年）

3代目モデルは、従来のBプラットフォームの改良版を使用しており、室内空間や使い勝手を向上させています。このモデルは、オーテックのライダーシリーズも継承しており、日本市場のみならず北米や欧州でも展開されましたが、2020年には販売が終了しました。

「キューブ」という名称は、英語で「立方体」を意味し、その形状にも由来しています。また、2007年には「CUBE LOVES MUSIC」というレコードレーベルも設立され、キューブのCMソングとして新たなアーティストが起用されるなど、音楽とのコラボレーションも行われました。

結論

「キューブ」は、日産自動車のトールワゴン市場における代表的なモデルの一つであり、独特のデザインと機能性から多くの支持を集めました。2020年に販売終了となりましたが、今なおその特徴的なデザインは多くの人々に記憶され続けています。

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