日産・キューブキュービック

日産キューブキュービック：コンパクトミニバンの歴史

日産自動車がかつて製造していた「キューブキュービック」は、コンパクトミニバンのカテゴリーに属する車両です。このモデルは、当初のキューブをベースに、ホイールベースを延長した形式で登場しました。2003年9月に初めて発売され、当時の市場ニーズに応える形で、3列シートの7人乗りという特長が注目されました。コンパクトでありながら大人数を乗せられる車として、多くのユーザーから支持を受けていました。

沿革と各モデル

キューブキュービックの発表当初の目標月間販売台数は3,500台とされ、その後も多くのモデルチェンジやバリエーションが追加されました。発売翌月の2003年10月、第37回東京モーターショーにはコンランとのコラボレーションモデルとして「キューブキュービック+コンラン」が展示され、特別なデザインで注目を集めました。さらに、12月にはSUVテイストの特別仕様車「トラビス」が登場し、デザインの幅が広がりました。

2004年にも「キューブキュービック プラス コンラン」などの限定モデルが販売され、わずか2週間で計画台数に達する人気を誇りました。翌年の2005年には、エンジン仕様にACR14DEとHR15DEが追加されるなど、性能面でも進化を遂げていきました。特にHR15DEエンジンが搭載されたモデルでは、e-4WDの設定もされ、4WD車の需要に応えるかたちでラインナップが強化されました。

デザインの変遷

2007年には再度マイナーチェンジが行われ、外観デザインに変化が加えられました。この時点で、RS/RXを除くモデルではフロントグリルとヘッドランプがキューブと同様のデザインに変更され、LED式リヤコンビランプが導入されました。この進化により、視覚的に新しさを伴った利便性と快適性が一層高まりました。

電気自動車の実験も

2008年には、キューブキュービックをベースにした電気自動車の実験車両も公開されました。このモデルは新開発のモーターとインバーターを搭載し、環境意識の高まりに応える形で、将来的な電動化を視野に入れた取り組みとも言えます。

モデルの終了とその背景

2008年11月、キューブのZ12型モデルへの移行を受けて、キューブキュービックはモデル廃止となりました。これにより、日産のラインアップからコンパクトミニバンが消えることになり、その後の最小ミニバンはラフェスタへと引き継がれることになりました。

車名の由来

「キューブキュービック」の名前には、空間効率や3列シートを想起させる意味が込められています。コンパクトなボディが多機能であることを体現したこの車は、当時のニーズに応えた象徴でもあります。

このように、日産キューブキュービックは、コンパクトでありながら多様な楽しみ方ができる乗用車として、記憶に残る存在となりました。

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