日産・サファリ

サファリ（SAFARI）について

日産車体が手掛け、日産自動車が販売していたサファリは、中型の四輪駆動車であり、1980年のデビュー以来、多くのファンに支持されてきました。2007年6月をもって日本国内での販売は終了しましたが、国外向けには今もなお「パトロール」として生産が続いています。

歴史とモデル展開

サファリのルーツは1951年に登場した「4W60型パトロール」に遡り、日本のクロスカントリー車両の先駆けとして位置づけられています。1980年6月に160型がデビューし、その後も1987年にY60型、1997年にY61型とモデルチェンジを重ねてきました。特にサファリは、トヨタのランドクルーザーと並んで、紛争地域や国際的な場面で広く活躍していることが特徴です。

初代160型は、多様なボディーバリエーションが用意され、消防車用のキャブシャーシなどもラインアップに含まれていました。搭載エンジンには、ディーゼルエンジンのSD33型やガソリンエンジンのPF40型などがありました。1990年代に入ると、独立懸架式サスペンションを採用するSUVが増加する中で、サファリは頑丈さを兼ね備えたはしご型フレームとリジッドアクスルサスペンションを特徴として、その立ち位置を確保しました。

Y60型系では、エンジンやトランスミッションが刷新され、サスペンションが改良されることで走破性や快適性が大幅に向上しました。特に4輪コイル＋リンク式サスペンションに変更されたことは、オフロードでのパフォーマンスを高め、オンロードの安定性も向上させました。1994年には、ワゴンタイプが3ナンバー登録となり、7人乗りのファミリー向けモデルも追加されました。

そして、1997年に登場したY61型では、中東やオーストラリアなど、厳しい環境でも快適に走行できるよう更なる改良が施されました。これにより、消防車などの特殊車両の仕様は廃止されましたが、オフロード性能と快適さが両立された車両として広く認知されました。

サファリとパトロール

サファリは日本国内での販売こそ終了しましたが、「パトロール」の名で現在も国外向けに生産され続けています。この海外モデルは、日本国内では少数派だった大排気量のパワフルなエンジンを搭載し、多種多様なニーズに応えるためにキャブシャーシやピックアップトラックなど、さまざまなバリエーションが用意されています。

日本国内でも、サファリは消防や警察、高速道路会社などの業務用車両として利用されており、その頑丈さと信頼性から、特にオフロードや悪路での利用において高い評価を受けています。また、自家用車としても愛用されているユーザーが多く、その人気は根強いものがあります。

車名の由来

サファリという名称は、スワヒリ語で狩猟や探検などの「遠征旅行」を意味します。この名は、車の目的や運転スタイルにぴったりのネーミングであり、冒険や未開の地を探検するための車としてのイメージを強調しています。今でもその名に恥じない性能を誇るサファリは、四輪駆動車の代表的存在として、多くの人々に愛され続けています。

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