日産・スカイラインクロスオーバー

スカイラインクロスオーバー

スカイラインクロスオーバー（SKYLINE CROSSOVER）は、日産自動車が過去に製造し販売していたクロスオーバーSUV型自動車です。このモデルは、2007年に北米市場向けにインフィニティのEX35として登場し、2009年にはインフィニティブランドがない日本での日産ブランドとして販売が開始されました。

概要

スカイラインという名称を持っているものの、スカイラインクロスオーバーは通常のスカイラインセダンやクーペとは異なる「J50型」に分類されています。Eプラットフォームを共用するものの、他のスカイラインモデルとは異なるデザインや機能であり、特にエクステリア部品においては、ターンシグナルレンズ以外の共有部品はほぼ存在しません。

このモデルは、1986年から1990年まで販売されていたR31型以来、スカイラインシリーズ初のステーションワゴンタイプでもあります。

メカニズム

エンジンにはV型6気筒の3.7L VQ37VHRエンジンが搭載され、電子制御の7速オートマチックトランスミッションと組み合わされています。日本での発売は、7速ATの導入を待ったため、他国よりも遅れました。スカイラインクロスオーバーは、50mm短縮されたホイールベースを持ち、スタイリングを重視した設計がされています。これにより生産コストが増加しましたが、捩り剛性の低下を抑えることで、優れた剛性を達成しています。また、フロントサスペンションは他のスカイラインと共通ですが、リアには専用のマルチリンクサスペンションが採用されています。

ラインアップ

駆動方式には後輪駆動とアテーサE-TSを利用した四輪駆動があります。ラインアップは「370GT」と「370GT Type P」があり、後者は上級グレードとしてアラウンドビューモニターやエアロパッケージを標準装備しています。

アラウンドビューモニターは、日産ブランド車の中でも機能が向上しており、駐車ガイド機能やフロント・リアワイドビュー機能などが搭載されました。

歴史

• - 2009年4月16日: スカイラインクロスオーバーの発売発表。
• - 2009年4月18日: 日産ギャラリーで先行展示開始。
• - 2009年7月13日: 正式販売開始。
• - 2010年11月15日: 一部仕様変更が行われ、メーターパネル液晶が改良される。
• - 2011年12月15日: 内外装の組み合わせがオートカラーアウォードを受賞。
• - 2014年7月22日: 一部仕様変更を行い、電動ガラスサンルーフが標準装備化される。
• - 2016年5月末: 生産が終了し、以後は在庫対応に。

車名の由来

「スカイライン」という名は、日産の伝統に由来します。クロスオーバーはクーペとSUVの融合を示し、若い世代にスカイラインブランドの魅力を届けることを目的としています。クロスオーバーという呼称が自動車名に使われるのは、このモデルが初めての試みです。

市場の評価

スカイラインクロスオーバーは販売当初、トヨタ・ハリアーなどの競合が存在する中で、バブル期が終了した後の経済情勢にも影響され、苦戦しました。今日では、クーペ型SUVの需要が高まり、当時の市場環境が変わっています。初期の低迷を経て、スカイラインクロスオーバーの存在感は再評価されています。

もう一度検索