日産・スカイラインセダン V35

スカイラインセダン V35 (SKYLINE SEDAN V35)

日産が2001年から2006年に栃木工場で生産したスカイラインセダンV35は、日本国内で人気を博したモデルです。この車は、1957年から続く歴史あるスカイラインの第11世代にあたります。従来の型式「R」から「V」に変更され、VQエンジンの搭載が特徴として加わりました。そのため、V35型は大きな革新を遂げ、新たなブランドイメージを築いています。

主要な特徴とデザイン

V35型スカイラインは、外観においても大きな変化を遂げました。曲線を多用したエクステリアデザインは、先代R34型の直線的なスタイルから脱却し、よりモダンで洗練された印象を与えています。また、空力性能も向上しており、Cd値が0.27に達しました。この空気抵抗の改善により、高速走行時の安定性が向上しています。

テールランプは新たにL字型のLEDを採用し、従来の丸型2連ランプからの刷新が図られましたが、後にマイナーチェンジで再びこの丸型デザインが復活しました。フロントデザインでは、スモークメッキのグリルとヘッドライトが特徴的で、高級感を演出しています。

業界内の評価

日本国内では「これはスカイラインではない」との批判も受けましたが、北米市場では日産の高級車ブランドであるインフィニティから「G35」として販売され、高く評価されました。特に、2003年度のモータートレンドカーオブザイヤーを受賞した実績は、国際的に見てもその性能が評価された証です。

開発の背景

V35型の開発は従来のスカイラインのイメージを刷新し、高級セダンとしての地位を確立することを目指しました。開発段階では、1999年の東京モーターショーで発表されたコンセプトカー「XVL」が基になっており、そのデザインやパッケージが高く評価されたことが次期型スカイラインの選定に繋がりました。また、これに伴いプラットフォームも見直されており、エンジンの配置をフロントミッドシップにすることで理想的な重量配分を達成しています。

パワートレインとメカニズム

V35型スカイラインは、2.5Lと3.0LのV型6気筒エンジンを搭載し、マニュアルモード付きの5速ATや4速ATのトランスミッションが選べます。また、時を経て登場した350GT-8モデルは、3.5L VQ35DE型エンジンを搭載し、より高性能な走行が可能です。

変遷と特別仕様

このモデルは発売当初の設定以降も、さまざまなモデルチェンジを経て、特別仕様車も数多くラインアップされました。特別版としては、「70th-II」や「NAVIエディション」など、日産の記念イベントを祝うようなデザインや装備を持つモデルもリリースされました。

まとめ

2006年には生産が終了し、その後はV36型へとフルモデルチェンジを行いましたが、V35型スカイラインセダンはその革新性やデザインで多くのファンを魅了し続けています。新しい時代のスカイラインとして、日産の自動車史に名を刻む一台となるでしょう。

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