日産・タウンスター

タウンスター（TOWNSTAR）

概要

タウンスターは、日産自動車が欧州で販売している商用車および乗用車です。この車両の製造はフランスにあるルノーの子会社、モーブージュ・コンストラクション・オートモーティブ（MCA）が手掛けています。

歴史

2021年

2021年9月27日、日産は欧州市場向けの新型小型商用車としてタウンスターを発表しました。このモデルはガソリン車と電気自動車（EV）のバリエーションを持ち、日産の事業改革「NISSAN NEXT」の一環として位置づけられています。タウンスターには、安全装備や先進運転支援機能が20種類以上備えられており、NV250およびe-NV200の後継車種です。

タウンスターは、CMF-C/Dプラットフォームに基づいています。基本設計はルノー・カングーに由来し、先代モデルの多くの要素が流用されています。しかし、フロント部分には日産の特色である「Vモーション」を取り入れたデザインが施され、商用車としてのアイコンである「インターロックグリル」も採用されています。特に電気自動車モデルには、日本の伝統的なデザインが意識された充電ポート付きグリルが搭載されています。タウンスターは、ユーザーの安全性を重視し、ユーロNCAPの安全性評価で4つ星を獲得しました。

2022年

2022年9月21日より、EVモデルの生産が開始され、日産の「Ambition 2030」イニシアチブのもと、2050年までのカーボンニュートラルを目指す一環として位置付けられました。EVモデルには45kWhのバッテリーが搭載されており、WLTP複合モードで最大183マイル（295km）、市街地サイクルで最大269マイル（433km）の航続距離を誇ります。また、急速充電により、わずか37分でバッテリーを15%から80%に充電可能です。タウンスターのEVモデルにはプロパイロット機能も搭載され、2023年からは「L2クルーバン」という新しい乗用モデルも登場しました。

2023年

2023年7月19日、ロングホイールベースモデルのL2が登場しました。同年12月7日には、2024年度のWhat's Van?賞で電動バン部門とコンパクトバン部門の2つの賞を受賞。この受賞の背景には、排出ガス規制の厳格化や、都市部での立ち入り制限、宅配サービスの需要の高まりに応じた持続可能なソリューションの提供が影響しました。

2024年

2024年5月2日には、乗用モデルの上級グレード「Evalia」が発表されました。このEvaliaという名は、NV200の東南アジア仕様に由来しています。タウンスターの中で唯一の7人乗りの100%EVとして、ガソリンモデルとのバリエーションが用意されています。さらに、6月13日には「クルーバン」モデルが発売され、貨物輸送と人員輸送の両立を目指した設計が特徴です。タウンスターには、2列目シートを片手で折りたたむことができるフレキシブルベンチが搭載されており、荷物の積載効率を高めています。

ボディとカラー

タウンスターのボディは、L1とL2の2種類があり、商用モデルではパネルバンが用意されています。ボディカラーには、頑丈な印象を持つメタリックカラーからソリッドカラーまで多彩な選択肢が用意されています。

グレード

2023年のイギリス市場向けタウンスターのパネルバンには4種類のグレードが用意されています。装備内容には、LEDヘッドライト、エアコン、Bluetoothオーディオ、セキュリティ機能などが含まれています。

個々のグレードには、運転支援技術や快適性を向上させるための様々なオプションが付属しており、ユーザーのニーズに応じた機能が選べるようになっています。

まとめ

タウンスターは、商用車市場において日産が真剣に取り組んでいるモデルであり、持続可能性と先進技術を融合させた一台です。

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