日産・モーター店

日産・モーター店の歴史と取扱車種

日産・モーター店は、日産自動車の過去に存在した販売チャンネルの一つで、特に商用車や高級車を主に取り扱っていました。元々は、キャブライトなどの商用車を中心に扱っていましたが、1960年にセドリックの販売が開始されると、ローレルなどの高級車を中心としたラインナップに移行しました。このように、日産・モーター店は時代のニーズに応じて柔軟にビジネスを展開していったのです。

奈良県のようにモーター店が設置されていない地域では、日産店がモーター店の車種を扱っていました。このため、地域の事情を考慮し、広告では「ローレル販売会社」という表記が用いられることもありました。

日産・モーター店のターゲットは富裕層や法人顧客であり、トヨタ自動車の「トヨタ店」に似た戦略を展開していました。したがって、他の販売チャンネルと比べて、大々的な広告展開は行われませんでしたが、いくつかのキャッチコピーが存在していました。例えば、「ゆきとどいたサービスで、長いおつきあい」（80年代初頭）や「日産のかたちを見てください」（1993年頃）などがありました。

1999年4月には、メーカー側の戦略により日産店と統合され、日産・ブルーステージへと変化しました。これは、日産の販売チャンネルの効率化と顧客満足度の向上を目的とした事業再編の一環です。

過去の取扱車種

1999年3月時点での日産・モーター店が取り扱っていた車種には、多岐にわたるラインナップがありました。それでは、いくつかの代表的な車種について詳しく見ていきましょう。

乗用車系

• - シーマ：プリンス店との併売で、日産の高級車の一つとして知られています。
• - セドリック：高級セダンとして人気が高く、多くのビジネスシーンで利用されていました。
• - ローレル：若者層に支持され、多くのモデルが発売されたことでも有名です。
• - セフィーロ：特にA33型が人気で、他の系列店での販売もありました。
• - キューブやマーチ：これらは全店舗で販売されており、一般消費者に広く親しまれていました。

商用車系

• - アベニールカーゴ：商業用途に特化したバンで、多くのビジネスシーンで重宝されました。
• - キャラバン：大型バンとして、多様なビジネスニーズに応える柔軟性を持っていました。
• - アトラスやバネットトラック：商用トラックおよびバスとしても、多くの法人顧客に利用されていました。

残念ながら、1999年の一部車種の販売終了もありました。例えば、インフィニティQ45やシルビアの4代目は、他の新しいモデルの発売に伴い市場から姿を消しました。特に商用車では、ブルーバードバンやエコーなどが販売終了したことも影響しています。

このように、日産・モーター店は商用車と高級車の両方を扱うことで、様々なニーズに応えていました。国産車市場における歴史あるディーラーとしてのその役割は、日産のブランド成長にも影響を与えたと言えるでしょう。

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