日産・ラルゴ

ラルゴ（LARGO）

ラルゴは、1982年から1999年まで販売された日産のミニバンで、特徴的なデザインと機能性から多くのファミリー層に支持されました。日産の同系列のモデルである「バネット」の上級車種として誕生し、他の車種とは一線を画した高級感ある作りが魅力の一つでした。

概要

ラルゴは1982年に、愛知機械工業が設計、日産自動車が販売したワンボックスカーです。その誕生の背景には、ファミリー層のニーズを意識した高級車としての位置付けがありました。1982年から1999年までの17年間にわたって存在し、3代目まで展開されました。特に3代目モデルは、セレナをベースにしながらも、全幅が広がり、大型エンジンが搭載され、高級感が一層増した作りとなっています。最初の2代目ラルゴには特別仕様の「ハイウェイスター」が登場し、若い世代にも人気を集めました。

歴史

初代（1982年 - 1986年）

初代ラルゴは1982年に発売され、その名は「バネットラルゴ」として知られました。販売はダットサン、サニー、チェリーのブランド名の下で行われており、それぞれ異なるスタイルと仕様がありました。エンジンはガソリンとディーゼルが複数設定され、顧客の多様なニーズに応えました。特に、グランドサルーンモデルは豪華な装備と広い室内空間を提供し、乗用車としても魅力的な選択肢となっていました。

2代目（1986年 - 1993年）

1986年に発表された2代目ラルゴは、上級バネットモデルとして進化を遂げました。このモデルではフロアパンが強化され、4WDモデルも登場するなど、より力強いバリエーションが追加されました。特にグランドサルーンは豪華な内装を誇り、ターボエンジンと電子制御技術が組み合わさることで、優れた性能を発揮しました。また、特別仕様車も数多く登場し、人気を博しました。

3代目（1993年 - 1999年）

1993年にフルモデルチェンジされたラルゴは、車名から「バネット」が除かれ、よりスタイリッシュなデザインへと進化しました。このモデルでは、モノスペーススタイルが採用され、乗車の快適さが向上しました。特に、セカンドシートにはベンチシートが導入され、より多くの乗員を快適に乗せることが可能となりました。また、若年層向けの「ハイウェイスター」モデルは、斬新なデザインと装備で注目を浴び、人気を得ました。

車名の由来

「ラルゴ」という名前は音楽用語の一つで、「幅広くゆるやかに」という意味を持ち、車両の特性を象徴しています。

まとめ

ラルゴは、日産のミニバン市場における重要なモデルとして、ファミリー層に向けた高級感と機能性に満ちた車両として位置付けられています。1982年から1999年にかけての豊富な歴史は、それぞれの世代に合わせた設計や仕様がなされ、多様な顧客ニーズに応え続けてきました。特に「ハイウェイスター」シリーズは、若い世代に受け入れられるスタイルと機能を兼ね備え、ラルゴの名を広める要因となりました。このモデルの生産終了後、日産はエルグランドやセレナなどの新しいラインアップに移行しましたが、ラルゴが持っていた高級ミニバンとしての地位は、今も多くのファンに記憶されています。

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