日産・VKエンジン

日産・VKエンジンについて

日産自動車が製造するVKエンジンは、V型8気筒構造を持つガソリンエンジンのシリーズです。このエンジン体系は、VHエンジンシリーズの後継モデルとして2001年に登場しました。初めてのV型8気筒直接噴射エンジンであるVK45DDは、F50型シーマの全面改良に合わせて開発され、市販されました。VKシリーズはその後も多数のモデルに搭載され、特に高い出力と優れた燃費性能を誇ります。

VK45DD

VK45DDはV型8気筒 DOHC 32バルブ CVTC（NEO-Di）型のエンジンで、排気量は4,494cc、内径93.0mm、行程82.7mm、圧縮比は11.0です。このエンジンは最高出力206kW（280 PS）を6000rpmで発揮し、最大トルクは451Nm（46.0kg-m）を3,600rpmで発生します。VK45DDはシーマの後継モデルに搭載され、静粛性や燃費性能を向上させるために、チタン合金製のバルブや軽量のピストンを採用し、運動系部品の軽量化に努めました。その性能は、旧型の4.1リットルV型8気筒エンジンに比べて静音性が50-70%向上しています。

VK45DE

VK45DEはVK45DDの後継で、同様の構造を持ちながら、改良されたポート噴射方式を採用しています。最高出力は206kW（280 PS）で、搭載車は日産・シーマやインフィニティ・Q45、そして日産・フーガなど様々な車種があります。特に、フーガに搭載された333 PS仕様のVK45DEは、日産のエンジンとして初めて280 PSを超える出力を記録しました。モータースポーツにおいても、高い信頼性と性能からVK45DEは多くのプライベーターチームに使用され、ル・マン24時間レースのLMP2クラスでも活躍しました。

VK56DE

VK56DEはさらに排気量を5,552ccに増量したモデルで、トルクの向上がなされており、最高出力は235kW（320PS）を誇ります。このエンジンはSUVやピックアップトラックをはじめとした多くのモデルに搭載され、高い出力を提供しています。また、2020年からはLMP3クラスのワンメイクエンジンとしても使用され、モータースポーツにおける性能を証明しています。

VK50VE

VK50VEは5,026ccの排気量を持ち、最高出力は287kW（390PS）です。このエンジンはインフィニティ・FXなどのモデルに搭載され、さらなる性能向上が求められる場面で使用されています。特に、ヨーロッパのル・マンシリーズで採用されたワンメイクエンジンとしても知られています。

モータースポーツでの活躍

VKエンジンはその性能からモータースポーツでも多くの活動を展開しており、特にル・マン24時間レースやSUPER GTなどのシーンでの使用例が目立ちます。VKシリーズは常に高出力と信頼性を兼ね備え、日産のエンジニアリングの特性を反映したエンジンとして評価されています。これらのエンジンは、日産自動車がどのように技術革新を進め、モータースポーツ界でのプレゼンスを確立しているかを示す重要な要素となっています。

日産のVKエンジンは、その独自の技術と高性能を廣く受け入れられ、世界中のカーオーナーやモータースポーツファンに支持されています。今後も技術革新とパフォーマンス追求を続けていくことでしょう。

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