日立製作所笠戸事業所

日立製作所 笠戸事業所概要

日立製作所笠戸事業所は、山口県下松市の東豊井に位置する鉄道車両の製造拠点です。1921年の設立以来、当事業所は日立の鉄道ビジネスユニットの中心的な役割を担っています。現在、この事業所は約1,500名の従業員を抱え、広大な52ヘクタールの敷地を有しています。

施設の特徴と製造能力

笠戸事業所は笠戸島に隣接し、広さは520,000㎡に及びます。この広大な敷地には、日立ハイテクノロジーズや日立交通テクノロジー、日立プラントテクノロジーなどの関連会社が併設されています。鉄道車両の製造に加え、保守用車両や保守機材の製造も行っており、艤装に関しても自社で完結できる体制が整っています。

製造された車両は、専用線を通じて山陽本線下松駅から全国に出荷されます。また、新幹線や阪急電鉄向けの車両、さらには海外向けの車両は、近隣の徳山下松港から船積みされ、陸送によって基地に運ばれます。

鉄道車両の日中陸送イベント

笠戸事業所では、公道経由での鉄道車両陸送は通常深夜に行われますが、下松市の「ものづくりのまち」としてのPR活動により、2017年には日本初の日中陸送が実施されました。このイベントには約3万人が訪れ、2022年にも同様のイベントが行われました。

歴史と沿革

日立製作所笠戸事業所は、日立鉱山の修理工場を起源とし、1921年には日本汽船笠戸造船所を取得し、鉄道車両の製造へとシフトしました。これにより、日立の鉄道車両製造の歴史が始まったのです。初期の製品としては国産第1号の大型機関車ED15形などが製造され、時代を経て多様な車両を手がけるようになります。

当事業所は、1940年代には多段式自動加速制御器「日立MMC制御」を開発し、1952年には日本初のワンハンドルマスコンを採用した高松琴平電鉄10000形を手がけました。近年では、「A-train」という独自技術を駆使したアルミニウム製車両の製造に特化しています。

製品と技術

笠戸事業所で製造されるほとんどの車両はアルミニウム合金製であり、新幹線を含む様々な鉄道向けに提供されています。近年は特にA-trainに基づく車両製造が主流で、モジュール化された内装構造により、低コストで短納期の生産が可能となっています。さらに、旧型やステンレス製の車両の製造からは撤退し、アルミ製車両に特化しています。

地域貢献とスポーツ

笠戸事業所は地域の「ものづくり」の象徴として、工場開放イベントなどを通じて地元住民との交流を行っています。また、男子サッカー部や男女バスケットボール部も存在し、地域スポーツにも力を入れており、サッカー部は中国サッカーリーグに参加しています。

結論

日立製作所笠戸事業所は、鉄道車両製造の分野で地域経済に大きく寄与しているだけでなく、技術革新にも注力し続けています。今後も、この事業所は日本の鉄道産業の重要な役割を果たし続けることでしょう。

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