徳山下松港

徳山下松港について

徳山下松港（とくやまくだまつこう）は、山口県の周南市、下松市、光市に跨る重要な港湾です。この港は、山口県が管理しており、港湾法上では国際拠点港湾として、また港則法上では特定港に指定されています。周辺は瀬戸内工業地域の一部であり、周南コンビナート地帯や周辺の工場群と連携した物流の中心として機能しています。

概要

この港は、周南市や下松市、光市といった地区に分かれており、港湾貨物の約90%が専用貨物（輸入原材料および製品の輸出）によって占められています。各地区の特性に応じて、様々な業種の企業が周辺に位置しています。

新南陽地区

新南陽地区は、旧新南陽市域にあたります。ここでは主に工場群からの原材料の搬入や製品の搬出が行われており、重要な物流の拠点となっています。主な周辺企業には、東ソー、日鉄ステンレス、日本ポリウレタンなどがあります。

徳山地区

徳山地区は山陽本線の徳山駅の南側に位置し、大分県の竹田津港へのフェリーサービスや、離島航路が運航されています。特に晴海埠頭には水深12メートルの岸壁が備わっており、2基のガントリークレーンが設置されたコンテナターミナルも整備されています。この地区は山口県内で最大のコンテナ取扱量を誇り、石油化学関連の企業が多く集積しています。主に出光興産やトクヤマ、日本ゼオンといった企業が周辺に拠点を構え、原油の搬入などが行われています。

下松地区

下松地区は笠戸島に近接しており、鉄鋼や機械関連の原材料の搬入・製品の搬出が主な役割です。特に日立製作所笠戸事業所で製造される新幹線を含む鉄道車両がこの港から出荷されるため、重要な物流リンクとなっています。また、ENEOSの下松事業所では発電所向けの石炭を取り扱う大規模な中継基地も設置されています。

光地区

光地区では、製薬や鉄鋼業の専用貨物による原材料搬入や製品搬出が行われています。主要な企業には武田薬品や日鉄ステンレスがあります。

歴史

徳山下松港の歴史は、江戸時代に遡ります。毛利氏の「三白政策」により、富田、徳山、下松の地域に商港が整備されました。その後、1904年に海軍煉炭製造所が設立されると、多くの企業が進出し、1922年には徳山港が開港され、特別輸出入港に指定されました。1948年には下松港を統合し、徳山下松港が誕生しました。その後、出光興産が進出し、港の重要性は増していきました。1951年には重要港湾に指定され、1965年には特定重要港湾に昇格しました。2022年には開港100周年を迎え、さらなる発展が期待されています。

港の発展は地域の産業や経済に大きな影響を与え、今後も重要な物流の中心としての役割を果たしていくことでしょう。

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