日野てる子

日野てる子の生涯と音楽

日野てる子（本名：一ノ瀬輝子）は、1945年7月13日に愛媛県松山市で生まれました。松山東雲高等学校を卒業後、1962年に全日本ハワイアンコンテストで優勝したことをきっかけに、1963年に上京し、バッキー白片らに師事しました。1964年にはハワイアン歌手として日本グラモフォンからデビューを果たし、そのキャリアをスタートさせました。

大ヒット曲「夏の日の想い出」

1965年に発表された「夏の日の想い出」は、ハワイアン音楽の枠を超えた楽曲でありながら、100万枚を超える大ヒットを記録しました。この曲は、もともとシングルB面として発表されたものでしたが、その人気からA面に差し替えられて再発売されるほどでした。この大ヒットにより、日野てる子は同年のNHK紅白歌合戦に初出場を果たすなど、一躍人気歌手の仲間入りを果たしました。

幅広い音楽活動

1966年には、丘野美子のカバーである「道」もヒットしました。この曲は、西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」や「東京ブルース」を作曲した藤原秀行が作曲を手掛けています。1969年には、作曲家・編曲家の一ノ瀬義孝と結婚し、翌1970年に一度引退しましたが、1978年には歌手活動を再開しました。長いストレートの黒髪と花の髪飾りは、彼女のトレードマークとして知られています。

晩年と音楽活動の再開

2003年12月に肺癌と診断されてからは、入退院を繰り返しながらも音楽活動を続けましたが、2007年12月を最後に活動を休止しました。2008年9月9日、肺癌のため東京都杉並区の病院で亡くなりました。63歳でした。葬儀・告別式は近親者のみで執り行われましたが、後日、都内のホテルで「お別れの会」が開かれ、多くの関係者やファンが彼女を偲びました。また、同年には第50回日本レコード大賞で特別功労賞を受賞しています。

家族と音楽の継承

日野てる子の長女である一ノ瀬トニカと、長男の一ノ瀬響は、共に音楽家として活動しており、彼女の音楽の才能が次世代へと受け継がれています。

ディスコグラフィー

日野てる子は数多くのシングル、アルバム、コンパクト盤などをリリースしています。以下に代表的な作品をいくつか紹介します。

シングル
「カイマナ・ヒラ／南国の夜」 (1964年)
「夏の日の想い出／ワン・レイニーナイト・イン・トーキョー」(1965年)
「道／水色の雨にぬれて」 (1966年)

アルバム
『日野てる子 ハワイアン・アルバム』(1964年)
『夏の日の想い出（日野てる子ヒット・アルバム）』(1965年)
『道（日野てる子ヒット・アルバム）』(1967年)

その他、多くのハワイアンアルバムやベストアルバムをリリースしています。

NHK紅白歌合戦とテレビ出演

「夏の日の想い出」のヒットにより、1965年のNHK紅白歌合戦に初出場を果たしました。また、テレビドラマ『寒い朝』では主演を務めるなど、多岐にわたる活動を行っていました。

彼女の音楽遺産

日野てる子の音楽は、ハワイアン音楽をベースにしながらも、様々なジャンルを取り入れた独自のスタイルが特徴です。その歌声は、多くの人々に感動と安らぎを与え、今もなお愛され続けています。

日野てる子の音楽は、その人生とともに、多くの人々の心に深く刻まれています。

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