日野・プロフィア

日野プロフィア：日本の物流を支える大型トラックの進化

プロフィア（PROFIA）は、日野自動車が製造・販売する大型トラックです。海外では「700シリーズ」として知られています。1992年の登場以来、日本の物流を支え続けてきたプロフィアの歴史と特徴を詳しく見ていきましょう。

概要

プロフィアは、1992年にスーパードルフィンをフルモデルチェンジする形で誕生しました。当初は「スーパードルフィン・プロフィア」という名称でしたが、2003年のモデルチェンジで「プロフィア」に改称されました。このモデルチェンジで通称「グランドプロフィア」と呼ばれるようになります。

歴史

初代・スーパードルフィンプロフィア（1992-2003年）

1992年5月、スーパードルフィンを11年ぶりにモデルチェンジして登場。エクステリアは徹底的にフラッシュサーフェイス化され、丸みを帯びたデザインとなりました。クルージングレンジャーとの共通点が多く、ヘッドライトやドアウインドウなどにその面影が見られます。エンジンはV8と直6が用意され、それぞれ320-430ps、300-395psの出力を誇りました。

初期型は、ヘッドライトの間に3つの穴が並んだフロントグリルが特徴的でした。また、自動車としては珍しい引違い窓のパワーウィンドウが装備された車両も存在しました。

1994年にはマイナーチェンジを実施。平成6年排出ガス規制に適合し、ウイングマークの廃止やフロントグリルの変更が行われました。エンジンも改良され、V型エンジンシリーズの出力が向上しました。

1998年のマイナーチェンジでは、フロントリッドに専用グリルが装着され、Hマークの装着部分がブラックアウトされました。ディスチャージヘッドランプや運転席エアバッグ、ABSが全車に標準装備されました。車両総重量22t・25tの車種には「テラヴィ」のサブネームが与えられました。

2000年には、通称「テラヴィ顔」と呼ばれるマイナーチェンジを実施。フロントリッドのグリルが2段になり、エアダム付きの大型フロントバンパーが採用されました。平成11年排出ガス規制に適合し、機械式ATのプロシフトが設定されました。

2002年には一部改良が行われ、セミトラクター以外のV型エンジンが廃止されました。

2代目・プロフィア（2003年-2017年）

2003年10月、11年半ぶりにフルモデルチェンジを実施。名称が「プロフィア」となりました。エンジンは新短期排出ガス規制に適合し、全車直6インタークーラー付ターボとなりました。アクセル/ブレーキペダルはオルガン式から吊り下げ式に変更されました。

2005年12月には、平成17年排出ガス規制（新長期排出ガス規制）に適合させ発売されました。

2006年1月には、世界初の大型トラック用 追突被害軽減ブレーキシステムを一部車型に追加搭載しました。

2010年4月には、平成21年（ポスト新長期）排出ガス規制に適合。DPRと尿素SCRシステムを組み合わせたクリーンディーゼルシステム「AIR LOOP」を導入しました。追突被害軽減ブレーキシステム、車両ふらつき警報、VSC（横滑り防止装置）などが全車標準装備となりました。

2014年4月には、エンジン制御の改良などにより、一部の車型を除き「平成27年度燃費基準値＋5%達成車」となりました。また、プリクラッシュセーフティの機能が強化されました。

3代目・プロフィア（2017年-2022年・2023年-）

2017年4月5日、セミトラクターなどを除き13年6か月ぶりにフルモデルチェンジを実施。エンジンは平成28年排出ガス規制に適合し、一部の車型ではエンジンが変更されました。Proshift12搭載車はセレクターがダイヤル式に変更されました。プリクラッシュセーフティの機能も強化されました。

2018年5月31日、セミトラクターをフルモデルチェンジ。単車系と同様にICTサービス機能が装備されました。同時に単車系もマイナーチェンジされ、スキャニングクルーズIIIが設定されました。

2019年3月29日にはマイナーチェンジを実施。安全装備の機能充実が図られ、可変配光型LEDヘッドランプなどが全車型に標準装備されました。

2019年5月28日には、ハイブリッドとハイブリッド冷凍車であるCOOL Hybridを追加しました。

2020年3月23日、トヨタ自動車と共同でプロフィアFRをベースにした燃料電池トラックの開発を表明しました。

2022年3月4日、エンジン不正問題により出荷停止となりましたが、2023年1月31日に国土交通省から再申請していた型式指定を受け、出荷を再開しました。

2023年5月より燃料電池トラック「プロフィアZ FCV」の実証運行を開始しました。

ラインアップ

プロフィアには、カーゴ、ダンプ、セミトラクターなど、様々なラインアップがあります。また、海外専用モデルも存在します。

生産拠点

プロフィアは、日本国内の日野自動車の工場や、海外の工場で生産されています。

モータースポーツ

スーパードルフィンプロフィアの全輪駆動車は、ダカール・ラリーに参戦している日野チームスガワラのアシスタントトラックとして、長年活躍しました。

プロフィアは、日本の物流を支える重要な役割を担うトラックとして、これからも進化を続けていくことでしょう。

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