旧戸島家住宅

旧戸島家住宅の概要

旧戸島家住宅は、福岡県柳川市に存在する歴史的な建物で、江戸時代後期に建設された侍屋敷です。特にその庭園は国の名勝に指定されており、訪れる人々を魅了しています。主屋は文政11年（1828年）に、柳川藩の中老であった吉田兼儔の隠居所として建設されたとされており、その独特なデザインと風情を持っています。伝承によれば、寛政年間に建てられた可能性もあるとのことです。

主屋のデザインは、数寄屋風の2階建てで、葦葺き屋根がその特徴として挙げられます。この主屋は、文人の趣味を反映したスタイルで、水郷柳川らしい特性を持った庭園と一体となっています。庭園は掘割の水を利用しており、優雅な景観を生み出しています。

この住宅は、後に藩主である立花家に献上され、藩の茶室として使用されていました。その後、明治維新の時期に宅地が徴発されたことから、立花家から由布家に下賜されました。1882年頃、由布氏の転居に伴い、戸島氏がこの住宅を引き継ぎ、以後は個人住宅として使われてきました。

文化財としての位置づけ

旧戸島家住宅は、文化財としても重要視されており、1957年に福岡県の文化財に指定され、その後1978年には国の名勝としても認定されました。特に庭園は1978年8月25日に名勝に指定されたため、歴史的価値が高い場所とされています。主屋自体も江戸時代の文政11年に建築されたと推定され、1957年4月5日に有形文化財に指定されました。

公開とアクセス情報

旧戸島家住宅は、2001年に柳川市に建物が寄贈された後、3年の解体修理を経て、2004年4月から一般公開が開始されました。訪れる際は、開館時間は9時から17時で、入館ができるのは16時30分までとなっているため、事前に時間を確認しておくことが大切です。また、定休日は火曜日と、1月1日から3日、12月29日から31日です。

所在地は、〒832-0067 福岡県柳川市鬼童町49-3です。最寄りの西鉄天神大牟田線の西鉄柳川駅からは、バスでのアクセスが便利で、「水天宮入口」バス停で下車後、徒歩1分ほどで到着します。他にも数種のバスが利用可能で、またタクシーでのアクセスも約10分程度の距離です。自家用車で訪れる場合は、九州自動車道の「みやま柳川インターチェンジ」から約11kmの距離に位置しています。

まとめ

旧戸島家住宅は、単に歴史的な建物だけでなく、その美しい庭園においても日本の文化と歴史を感じることができる場所です。訪問することで、柳川の歴史に触れながら、静かなひとときを楽しむことができるでしょう。

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