旧打狗駅故事館

旧打狗駅故事館は、台湾高雄市鼓山区に位置する鉄道博物館で、かつての打狗停車場（後の高雄港駅）の駅舎を利用しています。この場所は、台湾縦貫線の南の起点として1900年に開設され、長らく高雄の鉄道輸送を支えてきました。2008年に高雄港駅が廃止された後、2010年10月に打狗鐵道故事館として開館しました。その後、2017年10月1日に現在の「旧打狗駅故事館」に名称が変更されています。

博物館は、高雄市立歴史博物館が設立し、運営は中華民国鉄道文化協会、春臨台湾文化事業坊、台湾交通文化資産保存協会が委託を受けて行っています。2019年には高雄市政府文化局の補助を受け、旧駅舎の修復作業が行われ、再オープンしました。この修復により、歴史的な建造物が保存され、より多くの人々が鉄道文化に触れることができるようになりました。

館内には、旧駅舎、旧プラットホーム（低床式）、北信号所などの施設が保存されており、当時の様子を今に伝えています。また、様々な種類の保存車両が展示されており、台湾の鉄道史における重要な役割を果たした車両を間近に見ることができます。主な展示車両は以下の通りです。

蒸気機関車: CT259号（1938年三菱重工業製）、DT609号（1929年汽車製造製）、CK58号（1912年汽車製造製）
入換動車: DL-1101号、DL-1043号
スイッチャー: 台湾電力60t L02号、台湾電力L03号、台湾肥料高雄廠45t
ディーゼル機関車: 台湾糖業13号
気動車: DR2909-2955-2910(DR2900形)
緩急車: 3AK2020、3AK2504、3CK2109
無蓋車: 35G20060、15EG8634A
有蓋車: 15EC8074、25C10008、台湾糖業 東110003、台湾糖業 東110015、台湾糖業 東110018
長物車: 15EF19（1911年日本製）、35F20106（1975年唐榮台北機械廠製）
ホッパー車: 35N21121 (小麦), 35B1020 (バラスト), P35H22019 (石炭)
* 無蓋緩急車: 台湾糖業000023

これらの車両は、台湾の鉄道輸送において重要な役割を果たしたもので、その歴史的な価値は非常に高いと言えます。また、かつて展示されていた二等客車や電源荷物車も存在しました。

旧打狗駅故事館は、哈瑪星鉄道文化園区内に位置しており、周辺には他の観光スポットも多数あります。アクセスは非常に便利で、高雄捷運環状軽軌C14哈瑪星駅または橘線O1哈瑪星駅から徒歩圏内です。

博物館の公式ウェブサイトやFacebookページでは、最新の情報やイベント情報が提供されています。また、高雄市政府文化局のウェブサイトでも、この歴史的建造物に関する詳細な情報を入手することができます。哈瑪星鉄道文化園区の日本語版ウェブサイトも存在し、外国人観光客にとっても訪れやすい環境が整っています。

旧打狗駅故事館は、台湾の鉄道史を学ぶ上で非常に重要な場所であり、鉄道ファンだけでなく、一般の観光客にとっても楽しめるスポットです。歴史的な駅舎や車両を見学することで、台湾の鉄道文化を深く理解することができるでしょう。

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