旧東京音楽学校奏楽堂

旧東京音楽学校奏楽堂は、東京都台東区の上野公園内に位置する、日本近代建築史における重要な歴史的建造物です。この建物は、日本で最初に建てられた本格的な西洋式音楽ホールとされています。

歴史

1890年（明治23年）、文部技官の山口半六と久留正道によって設計され、東京音楽学校（現在の東京芸術大学音楽学部）のオーディトリウムとして建設されました。建物は中央家と翼家から構成されており、奏楽堂とは中央家2階にある講堂兼音楽ホールのことを指しますが、今日では建物全体の名称として使われています。

1972年（昭和47年）には、老朽化のため愛知県犬山市の博物館[[明治村]]への移築保存が計画されましたが、日本建築学会や音楽家グループ、市民らの反対により撤回されました。その後、1983年（昭和58年）に台東区へ譲渡され、1984年（昭和59年）に解体・修理を経て上野公園内に移築されました。1987年（昭和62年）10月からは一般公開が開始され、翌1988年（昭和63年）1月には国の重要文化財に指定されました。また、1987年から2003年までは、日本近代[[音楽館]]の分室としても利用されていました。

建物の傍らには、明治期の日本における西洋[[音楽]]黎明期を代表する音楽家であり、東京音楽学校の卒業生でもある瀧廉太郎の銅像が設置されています。

2014年（平成25年）4月から2018年（平成30年）11月にかけては、保存活用工事のため休館していました。

施設

ホール: 客席数338席を備えています。ホールの寸法は、梁行16.4m、桁行26.4mです。
パイプオルガン: 日本最古級のコンサート用オルガンの一つで、アボット・スミス社製です。パイプ総数は1,379本、26ストップを有し、現存する日本唯一の空気式アクション機構を備えています。このオルガンは、1928年（昭和3年）に徳川頼貞からの寄贈によって設置されました。

建築の特徴

ホールの中央部天井はヴォールト状になっており、音響効果を高める工夫が施されています。また、壁面や床下には藁や大鋸屑を詰めた層が設けられ、遮音対策も講じられています。

設計: 山口半六、久留正道
竣工: 1890年（明治23年）5月
構造: 木造、地上2階建て、桟瓦葺
音響設計: 上原六四郎
所在地: 〒110-0007 東京都台東区上野公園8番43号

その他

開館時間、休館日、料金、コンサート開催日などの利用情報については、公式サイトで確認してください。また、現在の東京芸術大学音楽学部には、新たに建設された「東京藝術大学奏楽堂」があるため、演奏会鑑賞の際は会場を間違えないように注意が必要です。

関連事項

奏楽堂
コンサート[[ホール]]の一覧
日本のコンサート[[ホール]]の一覧
関東地方にある建造物の重要文化財一覧
日本の20世紀遺産

脚注

注釈、出典、外部リンクについては、公式サイトや関連資料を参照してください。旧東京音楽学校奏楽堂の公式サイトや台東区の文化ガイドブック、日本経済新聞社の記事などが参考になります。また、ウィキメディア・コモンズには関連するカテゴリがあります。

旧東京音楽学校奏楽堂は、日本の音楽史と建築史において非常に重要な場所であり、その歴史的価値と美しい建築は、訪れる人々に深い感動を与え続けています。

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