旧桜井家

旧桜井家の概要と歴史

旧桜井家（きゅうさくらいけ）は、岐阜県各務原市にある歴史的な建物で、1871年に養蚕農家として建設されました。この建物は、各務原市の重要有形民俗文化財に指定されており、地域の文化的遺産としての価値があります。

所在地と外観

旧桜井家は岐阜県各務原市鵜沼三ツ池町に位置し、炉畑遺跡公園の敷地内にあります。建物は、間口18.7メートル、奥行9.5メートルを持ち、入母屋造りで平入りの形状をしています。屋根は現在はトタンで覆われていますが、元々は藁葺きだったとされています。内部は、典型的な裕福な自作農家の間取りで構成されています。

4つの8畳間、2畳の仏間、4畳の隠居部屋、土間、南北両側の三尺廊下、そして馬屋があります。
仏間や床の間は一段高く、床の間の框や粗壁は美濃地方の農家において珍しい構造となっています。
* 土間の梁は弓なりの形をしており、部屋の機能に応じた天井の造りも特徴的です。
- 座敷は竿縁天井、台所は格子天井、あがりはなは簀の子天井とされています。

歴史的変遷

旧桜井家の歴史にはいくつかの重要な出来事があります。最初の建設から約20年後の1891年には、濃尾大震災によって倒壊してしまいます。しかし、1899年には倒壊前に使われていた古材を利用して再建されました。その後1976年に旧所有者の新築に伴い現在の場所に移築され、この際に建物の向きが南から東に変更されました。

1976年9月16日に、各務原市の重要有形民俗文化財に指定され、現在に至ります。しかし、老朽化が進み、2021年には屋内が非公開となっているのが現状です。保存管理は部分修繕で行われていますが、今後の維持管理が懸念されています。

アクセスと公開情報

訪問する際のアクセス方法としては、各務原市ふれあいバスの稲羽線「弓道場前」バス停から徒歩7分、名古屋鉄道各務原線の二十軒駅から徒歩15分、JR高山本線の各務ケ原駅から徒歩25分程度です。

炉畑遺跡公園内には駐車場があり、第1駐車場には大型バスが3台、普通車が17台駐車可能で、第2駐車場には普通車が34台駐車できます。駐車料金は無料です。

開園時間は、午前8時30分から午後5時00分まで、休園日は月曜日から金曜日（祝日を除く）と年末年始です。入場は無料で、歴史と文化を感じながら散策することができます。旧桜井家は地域の文化的アイコンであり、訪れることで貴重な歴史を感じることができるスポットです。

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