早坂冬男

早坂冬男

早坂冬男（はやさか ふゆお）は、1901年（明治34年）2月8日に生まれ、1976年（昭和51年）6月10日に没した日本の内務官僚です。彼は、そのキャリアを通じて地方行政に深く関わり、特に最後の官選青森県知事としての役割で知られています。

生い立ちと学歴

宮城県加美郡小野田村（現在の加美町）で、早坂伊勢松の次男として生まれた早坂冬男は、幼少期から学業に励み、宮城県仙台第二中学校、第二高等学校文科甲類を卒業しました。その後、東京帝国大学（現在の東京大学）に進学し、1926年に法学部英法科を卒業しました。

内務官僚としてのキャリア

大学卒業後、早坂は内務省に入省し、千葉県属としてキャリアをスタートさせました。その後、山形県、熊本県、新潟県、富山県、岐阜県など、各地で地方行政に携わりました。これらの経験を通じて、彼は地方の実情や課題を深く理解し、行政官としての能力を磨いていきました。

1945年には、大阪府工場課長を経て、北海道庁内務部長に就任しました。この時期は、第二次世界大戦の終戦直後であり、社会情勢が大きく変動する中で、北海道の行政を担う重要な役割を果たしました。

青森県知事としての役割

1947年3月、早坂は青森県知事に就任しました。彼は、戦後の混乱期における県政の立て直しに尽力しました。県議会議員選挙や知事選挙などの執行を通じて、地方自治の基礎を築きました。しかし、同年4月には知事を退任し、その後公職追放となりました。

その後の活動

公職追放解除後、早坂は北海道人事委員会委員長を務めました。その後、1953年から1956年まで宮城県副知事として、県政の運営に貢献しました。また、1972年以降は宮城県公安委員会委員長を務め、地域の治安維持にも尽力しました。

人物像

早坂冬男は、地方行政のエキスパートとして、各地の県政に貢献しました。彼の経歴は、明治から昭和にかけての激動期における官僚の役割を示すものとして、歴史に刻まれています。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

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