早坂茂三

早坂茂三 (はやさか しげぞう) の生涯と業績

早坂茂三は1930年6月25日に生まれ、2004年6月20日に没した日本の政治評論家です。彼は田中角栄の政務秘書を23年間務め、著名な「日本列島改造論」の名付け親でもあります。秘書を辞任した後は、多くの著作を出版し、政治と社会への深い洞察を提供しました。

来歴・人物

早坂は北海道函館市に生まれ、呉服屋を営む家庭で育ちました。旧制北海道庁立函館中学校を経て、旧制弘前高等学校を卒業し、早稲田大学の政治経済学部に進学しました。在学中は学生運動に関与し、日本共産党にも参加していました。1955年に卒業後、新聞社の入社試験を受けますが、様々な事情で成功せず、その後東京タイムズに政治部記者として採用されます。ここで岸信介に接近し、やがて田中角栄とも知り合います。

1962年、田中から秘書に誘われ、その後23年間、政務秘書として密接に彼に仕えることになります。田中との関係は単なる主従ではなく、彼の思想や政策を理解し、支える一方で、時には意見の相違もあったことが早坂の後の評論活動にも影響を与えました。

政治評論家としてのキャリア

田中が総理大臣になった後、経済運営に関わる数々の政策に早坂は密接に関与しましたが、金脈問題やロッキード事件の際には大量のメディアの注目を浴びることとなります。田中が脳梗塞で倒れた後、早坂は政治評論家として次の道を歩むことを決意し、独自の視点で著作を発表し続けました。

早坂は、直接の政治活動だけでなく、メディアを通じて広く知名度を上げることに成功しました。特に報道番組やトークショー、クイズ番組への出演は、彼の知識と洞察を一般視聴者に届ける重要な手段となりました。また、冠番組『茂三の渡る世間の裏話』では、時には滑稽に、時には真摯に政治や社会について語り、視聴者の支持を得ました。

著書と影響

彼の著作には、田中角栄との23年間の秘書業務を振り返った『オヤジとわたし、頂点をきわめた男の物語』や、田中の政治的影響を深く掘り下げた『政治家田中角栄』などがあります。また、彼は人生論や政治思想に関する多くの記事を雑誌に連載し、広く講演活動を展開しました。

早坂の文筆活動は多岐にわたり、彼は政治や経済だけでなく、人間関係や人生の知恵についても言及しました。彼の思想は多くの読者に影響を与え、特に若者向け雑誌での連載は、新しい世代に向けたメッセージとして響きました。

病気と最期

早坂は晩年、喫煙の影響でがんを患い、2004年に73歳で亡くなりました。彼の死は、多くのファンやフォロワーにとって大きな喪失でしたが、彼の言葉や思想は今もなお多くの人に影響を与え続けています。

終わりに

早坂茂三の生涯は、政治との関わりを通じて多くの人に影響を与えました。彼の独自な見解や経験は、現代の政治や社会について考える上での貴重な資源となっており、今後も彼の著作やメディアでの発言は読み継がれることでしょう。

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