早埼 (給糧艦)

早埼（はやさき）：日本海軍の運送艦

早埼は、日本海軍に所属する運送艦であり、杵埼型給糧艦の一隻です。この艦名は宮城県の牡鹿半島東岸に位置する岬に由来しています。早埼は、その艦歴を通じて主に補給任務に従事し、歴史に刻まれる存在となりました。

艦歴の概要

早埼の建造は昭和16年（1941年）にさかのぼります。当初は雑役船としての計画の下、1941年12月2日に大阪鉄工所の桜島工場で起工されました。翌年の4月8日、早埼と命名され、特務艦として類別されました。進水は5月12日で、8月31日に竣工を迎え、これにより太平洋戦争における重要な役割が始まりました。

早埼は1942年9月から連合艦隊に加入し、ラバウルへの糧食補給のために2往復しました。この任務中、1943年2月7日には敵の潜水艦と衝突し、3月には横須賀に帰港して修理を受けました。4月以降もマーシャルやラバウル方面への補給任務を続け、数度の改造を経て運用されました。

戦争とその後

1944年、早埼はパラオやダバオ、タウイタウイ、スラバヤ方面での補給に従事しましたが、1945年の5月にはスマトラ北方で触雷し、シンガポールで修理を受けている間に終戦を迎えました。日本海軍籍から除籍されたのは同年の10月5日です。

終戦後、早埼は特別輸送艦に指定され、復員輸送に従事しました。特に、第1回から第3回までの艦艇引渡しに伴う作業でも使用され、帰路の便乗用に使われることがありました。第4回の引渡しではソ連に引き渡され、1946年の10月3日に賠償艦としての役目を終えました。

記録と評価

早埼の艦歴は、様々な資料に記されており、特に防衛省のアジア歴史資料センターや海軍関連の文献から多くの情報を得ることができます。これにより、早埼は戦争中の日本海軍の活動を知る上で欠かせない艦艇の一つとなっています。

艦は1949年から1950年にかけて芝浦ふ頭で確認されるなど、戦後の日本においてもその姿を見せました。早埼の歴史は、軍艦としての役割、戦争の激しい時代の中での活躍、そしてその後の復員輸送の業務を通じて、特異なものとなっています。

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