早川勝 (実業家)

早川勝：柔道と実業の世界で輝いた Pioneer

早川勝（はやかわ まさる）は、1904年4月19日 - 1979年2月5日にかけて、日本の柔道界および実業界において多大な足跡を残した人物です。講道館柔道8段という卓越した柔道家であると同時に、日本経営者団体連盟専務理事を務めるなど、実業家としてもその手腕を発揮しました。

学生時代：前三角絞の開発

早川は学生時代、旧制第六高校において、師範の金光弥一兵衛や柔道部の仲間たちと共に、柔道の新たな技である前三角絞を開発したことで広く知られています。この技は、後の柔道界に大きな影響を与えました。

実業家としての活躍

社会人となった早川は、三菱鉱業を経て日本経営者団体連盟（現・経団連）の専務理事という要職を歴任し、実業家としての才能を開花させました。その経営手腕は高く評価され、多くの企業経営者から信頼を集めました。

柔道家としての功績

早川は柔道家としても傑出した実績を残しています。主な実績は以下の通りです。

旧制六高での活躍：全国高専大会4連覇に貢献し、六高柔道部の黄金時代を築き上げました。
天覧武道大会出場：昭和天皇御前で開催された天覧武道大会に出場し、その実力を示しました。
全日本選士権大会出場：全日本選士権大会にも出場し、強豪選手と激戦を繰り広げました。
柔道界の再興に尽力：戦後の柔道界の再興に尽力し、全日本柔道連盟の理事などを歴任しました。
講道館護身術の制定に貢献：講道館護身法制定委員として、護身術の制定に尽力しました。
講道学舎の創設：青少年育成のための私塾「講道学舎」を創設し、柔道を通じた人間形成を目指しました。

講道学舎：若者育成への情熱

晩年は、講道学舎の運営に力を注ぎました。早川自身は生徒に直接指導することは少なかったものの、自らの行動を通して柔道の精神を教え、若者たちの育成に尽力しました。特に、日常生活における礼儀作法を重視し、率先して手本を示すことで、生徒たちの人間性を高めることに貢献しました。

兄弟揃っての柔道家

兄の昇も柔道家であり、王子製紙の専務取締役を務めるなど、実業界で活躍しました。兄弟揃って柔道家として名を馳せ、後に揃って講道館8段に昇段するという偉業を成し遂げました。これは、講道館の歴史においても極めて稀な記録です。

早川勝は、柔道家、実業家、そして教育者として、多岐にわたる分野でその才能を発揮し、社会に貢献しました。彼の残した功績は、今日の柔道界、そして実業界においても、大きな影響を与え続けています。

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